「苦しみから解放されました」27歳なでしこジャパンMFが10戦連発の日本プロサッカーリーグ新記録
◆WEリーグ第16節 マイナビ仙台0―3三菱重工浦和(21日・ユアテックスタジアム仙台) 三菱重工浦和のなでしこジャパンMF清家貴子(27)がマイナビ仙台戦(ユアスタ)で2―0の後半29分に、自身が持つリーグ記録を更新する10試合連続ゴールを決めた。日本のプロサッカーリーグで10戦連発は男女を通じた新記録。FWからサイドバック(SB)までできる万能選手が、パリ五輪代表入りへ強烈なアピールを続けている。 清家のゴールラッシュが止まらない。2―0の後半29分、右サイドを高速ドリブルで駆け上がると、そのままシュートを放ってネットを揺らした。驚異の10戦連発。「苦しみから解放されました」と、もみくちゃにされた後ホッとした表情を浮かべた。 11日に代表の米国遠征から帰国。前節から中2日での3連戦で疲労もピークで、前半アディショナルタイムにはPKを失敗した。「体は重かった。チャンスを外すごとに気持ちの面がすごい重くなって。本当に今までにないくらい苦しかった」。支えてくれたのはチームメートだった。ハーフタイムに励ましを受け「この仲間たちのために走りたい」と力を振り絞って、偉業を達成した。 日本のプロサッカーリーグでは、15年にJ3の岸田和人(山口)が9戦連続得点をマークしていたが、10戦連続は初。チームは3―0快勝で、連覇に大きく前進した。「チームを勝たせ勢いをつける。そういう得点をたくさん決めたい」と清家。チームのため、その先にあるパリ五輪メンバー入りに向けてゴールにこだわり続ける。 ◆清家 貴子(せいけ・きこ)1996年8月8日、東京・西東京市生まれ。27歳。浦和ジュニアユースレディース、同ユース所属の14年になでしこリーグ初ゴール。15年にトップチーム昇格。並行して筑波大に通学した。なでしこジャパンは19年に初招集。昨夏の女子W杯メンバー入り。代表通算20試合7得点。166センチ、62キロ。愛称は「きこ」。
報知新聞社