“推し活”が駅周辺広告の「空き枠」を埋める 市場規模どんどん拡大、業界の救世主に
駅周辺のポスター広告にあふれる「HAPPY BIRTHDAY! 〇〇」とは一体? 新製品の広告でもナシ、いったい何なのかと思っている人も多いのでは。これらはファンが自主的に製作している「応援広告」。誕生日を祝うポスターメインで、オーディション番組出演中の“推し”を応援するものなどもある。 【写真】谷まりあがインスタで披露した新木優子との2ショットに「ルフィみたい」とファン仰天! 「もともと昔はアキ枠などなかったから、交通広告の代理店は法人としか取引がなかった。ところがコロナ禍で新宿の地下道や梅田の地下街などががらんどうになった時、徐々に個人客から問い合わせが入るようになった。推し活という個人的な広告掲載に消極的だった広告業界も背に腹は代えられず、K-POPの流行と共に“センイル広告(応援広告)”カルチャーも受け入れられ、各社対応を始めました」(広告代理店)
今や屋外・交通広告費の約10%に
「コンサートやイベントが次々と中止になり、お金の使い道がなくなってしまった“推し活ロス”を救ってくれたのが応援広告でした」(ボーイズグループのファン)という声もある。 都内近郊だとB0判で3万円後半から5万円程度。2枚連なる大々的なもの、LEDポスターまで選択肢もさまざま。作製までの流れは、申し込み、タレント事務所の許諾確認、データ作成となっており、タレント事務所側も素材提供についてホームページに説明文を掲載するなど協力的だ。 ある代理店では現在、応援広告の受け付けを一時休止中。「担当者が1人しかおらず、出稿未経験のお客さまに対応すべく、レギュレーションを整えてから再開する予定です」と、対応に追われている様子。ジェイアール東日本企画の調査によると、市場規模は推計377億円(2023年度)、前年度の約1.16倍(約52億円増)にまで拡大。なんと屋外・交通広告費の約10%を占めるというから驚きである。ジェイアール東日本企画のチアリングアドオンラインでは、申し込みから決済までの多言語対応、新たな媒体の拡充などサービスを手厚くする予定だという。 “推し活”市場はますます拡大している。