「ここに帰って来たんだ」と涙 訪れた人の人生をも変える「ヨガの聖地」
インド北部に連なるヒマラヤの麓、聖なるガンジス川が白い波を上げながら流れていく。汚染された下流地域と違って、ガンジスの水もここではまだ綺麗だ。登山にキャンピング、そしてラフティングと、恵まれた自然を求めて、多くの観光客が訪れるインド北部ウッタラカンド州のリシケシ。さらに、「ヨガの聖地」とも呼ばれるこの町は、年を通して世界中からヨガを学ぶ人々でも賑わう。カリフォルニア出身のアメリア人女性、サドビ・バガワティも20年以上前にヨガ体験にやって来た一人だったが、この町最大のアシュラム、パルマス・ニケタンを訪れたことが彼女の人生を大きく変えた。 「25歳の時にヨガを習いにここに来たんです。ある朝、ガンジスの川辺で瞑想をしていたら、初めて訪れる土地なのに、突然、『私はここに帰って来たんだ』という強い思いがこみ上げて来て、なぜか涙が溢れ出て来ました」
故郷であるロサンゼルスの両親を説得し、以来、ニケタンが彼女の「家」になった。もともとスタンフォード大学の博士号を持つほどの秀才だ。今ではリシケシを拠点に、講演や福祉活動をしながら世界中を飛び回る。ヨガの精神面はもちろん、国際政治に到るまでの見識も広く、国連でも講演を行った。 彼女のような極端なケースは稀だろうが、リシケシは、自然に囲まれ、瞑想をし、自分を見つめ直すには格好の土地。ひょっとすると、あなたもここで新しい自分を発見できるかもしれない。 (2014年6月撮影) ※この記事はフォトジャーナル<インドの旅>- 高橋邦典 第51回」の一部を抜粋したものです。