北陸新幹線ルート問題 年内に詳細固める方針 与党整備委員会
紛糾する北陸新幹線の敦賀から大阪への延伸ルートをめぐる問題。 与党のプロジェクトチームは、4日開いた整備委員会で、福井県や営業主体のJR西日本から意見を聞き取りました。 【写真を見る】北陸新幹線ルート問題 年内に詳細固める方針 与党整備委員会 北陸新幹線の延伸をめぐっては、与党のプロジェクトチームが、福井県の小浜市を通って京都駅に南下する「小浜・京都ルート」での整備を決め、詳細なルートの検討を行っています。 このうち、京都市内での新たな駅の位置については、これまでに、現在の京都駅の地下を東西に通るルート、京都駅地下の南側を南北に走るルート、京都駅から西側に離れたJR桂川駅付近の3つの案が示されています。 ■特急サンダーバードの利用客の7割が京都駅利用 こうした中、開かれた与党プロジェクトチームの北陸新幹線延伸に関する整備委員会では、福井県の杉本知事や、営業主体となるJR西日本の長谷川一明社長から意見を聞き取りました。 会合で長谷川社長は現在、大阪・敦賀間を運行する特急サンダーバードの利用客のうち、およそ7割が京都駅を利用していると説明。 こうした現状を踏まえ、京都駅に近い「東西案」と「南北案」を念頭に置くことが望ましいと意見を述べたということです。 また、福井県の杉本知事は、大阪までの延伸が国土強靱化の上で重要な「国策新幹線」であるとの認識を示したうえで、着工条件の一つとなっている財源の問題を早急に解決するよう求めました。 福井県 杉本知事 「国策の部分については、もう国の経費・国費として負担をしていただきたい。もう1つあるのは、大都市圏に入っていくので工事費もかかり増しがある。そういったものへの地方負担に対する十分な配慮もお願いしたい」 ■与党整備委員会は京都府、大阪府からヒアリングし、ルート詳細固める方針 大阪延伸をめぐっては、現行の小浜ルートの工事費が物価の高騰分を想定した場合、当初の2.5倍を超える最大5兆3000億円に膨れ上がり、工期も最長で28年に伸びるとの試算が示されています。
与党の整備委員会では、12月13日にも残る沿線自治体の京都府と大阪府からヒアリングを行い、ルートの詳細を固める方針です。 政府の2025年度の予算編成を間近に控える中、北陸新幹線の全線開業をめぐる動きは重要な局面を迎えています。
北陸放送