「冷蔵庫」は小さめを選んでも節約にならない!? 容量ごとの「電気代」「消費電力」について解説
家電製品は大きいほうが消費電力も増えるイメージがあるのではないでしょうか。しかし、冷蔵庫については、大きいほうが消費電力が少ないケースもあります。 本記事では、冷蔵庫の具体的な消費電力の比較や、適切な冷蔵庫の選び方などを解説します。
冷蔵庫の消費電力はどのくらい?
家電製品は、サイズに比例して消費電力も増えるケースが一般的です。しかし、冷蔵庫はサイズと消費電力が必ずしも比例しておらず、大きいほうが消費電力が少ないこともあります。 経済産業省資源エネルギー庁の資料によると、定格内容積別の冷蔵庫の年間消費電力は図表1のとおりです。 【図表1】
経済産業省資源エネルギー庁 省エネ性能カタログ2022年版より筆者作成 ※年間電気料金は31円(税込)/キロワットアワーとして計算 「201~250リットル」から「301~350リットル」に増えると消費電力も増えていますが、そこから「401~450リットル」、「501リットル~」と容積が上がるにつれて逆に消費電力は減っています。そのため、冷蔵庫を購入する際は、検討しているサイズの消費電力をカタログなどで確認したほうがよいでしょう。
なぜ冷蔵庫は大きいほうが消費電力が少ない?
冷蔵庫はなぜ大きいほうが消費電力が少なくなるのでしょうか。その理由として、大きい冷蔵庫のほうがより高度な省エネ技術が用いられている点が挙げられます。 例えばインバーター制御です。インバーター制御とは、冷蔵庫のコンプレッサーやモーターなどの回転数を変化させ、冷蔵庫を効率よく運転する技術です。従来はコンプレッサーやモーターは、オンかオフにしかできなかったのですが、インバーター制御により庫内の温度など状況に応じた回転数の細かな運転が可能になりました。しかし、インバーターはコストがかかるため、小型の冷蔵庫ではあまり採用されていません。 また、断熱材も冷蔵庫の消費電力を決める上で大きな役割を果たしています。性能のよい断熱材が使われていると、庫外からの熱の侵入を防げるからです。大きな冷蔵庫のほうがより高性能な断熱材が使われているケースが多いため、省エネにつながっています。