恐ろしい…時短勤務で仕事と子育てを両立する「月収32万円・36歳女性社員」、理解ある職場で向けられた「まさかの敵意」に戦慄
時短勤務で仕事と子育てを両立しているが…
育児は保育所が見つかったらひと安心、というわけにはいかないことは誰もが知るところ。 ――保育所に入ってすぐに病気をもらってきては、すぐに熱を出して。37度を超えると預け入れができないので、会社を休まざるを得ません。保育所に入った最初の月は登園日、わずか5日でした 今となっては笑い話でしたが、当時はコロナ禍前。リモートワークも珍しかった時代。会社の制度をあの手この手と利用しながら、何とか対応していたといいます。 前出の厚生労働省の調査によると、「育児のための所定労働時間の短縮措置等の制度」がある企業は、2022年度で77.5%。多くの企業で育児による時短勤務が可能になっています。一方で、問題はいつまでフォローしてくれるか。 【最長利用可能期間別「育児による時短勤務」の事業所割合】 ・3歳未満…38.1% ・小学校就学前の一定の年齢まで…6.1% ・小学校の始期に達するまで…19.8% ・小学校3年生(または9歳)まで…6.6% ・小学校卒業(または12歳)まで…6.5% ・小学校卒業以降も利用可能…23.0% ※数値は制度ありを100とした際の割合 木村さんが勤める会社では、子どもが小学校卒業まで時短勤務が認められ、木村さん自身も利用しているといいます。 ――小学校入学後に利用予定の学童保育は預け入れが18時まで。今通っている保育園は20時まで。小学校入学後のほうが何かと大変と聞くから、中学校入学前まで時短勤務できるのは本当にありがたいです 時短勤務を利用していることもあり、給与は5年間ほぼ変わらないと木村さん。職場の理解も進み、子育て世帯にはますます働きやすい環境になっているといいます。特に男性社員のほうが子育てを応援してくれる傾向が強いといいます。 ――子どもの具合が悪いというと「早く帰りな」などとせかされることもしばしば そんな時短社員に優しい職場であるものの、なかには遠慮のない声が響くこともあります。 ――いいわね、子どもを言い訳に仕事に区切りがつけられて ――迷惑かけられる身にもなってほしいわ ――私のころは恵まれた環境じゃなかったけど。それでも子育てしたもんだけど 辛辣なことを、しかも他に聞こえるようにいうのは先輩の女性社員。周囲からも怖がられている存在だけに、ただ聞こえないふりをするのが精いっぱいだとか。 確かに時短勤務をすることで、そのぶんのしわ寄せはほかの社員のところにいきます。また制度が未整備だったなかでも、何とか子育てと仕事を両立させてきたのも事実。どうも恵まれている環境のなか仕事と子育てをする、今どきの子育て社員のことが疎ましくて仕方がないようです。 HiClub株式会社が20歳~39歳の女性に対して行った『マタニティハラスメントに関するアンケート調査』によると、「これまでにマタニティーハラスメントを受けたことがある」と回答した人は16.4%。また、マタニティハラスメントをされた相手は「女性」が67.2%でした。マタハラはもちろんのこと、イクハラにおいても、ハラスメントを行うのはむしろ同性からのほうが多いという、何とも恐ろしい現実がみえてきました。 ――同性のほうが本音をいいやすいというのはありますよね。結局、理解あるまわりの人たちも、本心では同じように思っているのかな、と思うと気が引けてしまう……いっそのこと、会社を辞めたほうがまわりの迷惑にならないなどと考えてしまいます 子育てと仕事の両立。当事者も、そのまわりも、すべての人を納得させることは、なかなか難しいことのようです。 [関連資料] 厚生労働省『令和4年度雇用均等基本調査』 厚生労働省『令和5年度男性の育児休業等取得率の公表状況調査(速報値)』 HiClub株式会社『マタニティハラスメントに関するアンケート調査』