メキシコ・ペソ下落、シェインバウム次期大統領が司法改革推進へ
(ブルームバーグ): メキシコ・ペソがアジア時間11日の取引で下落した。シェインバウム次期大統領は司法制度改革案が議会で最初に議論される項目の一つになるだろうと表明した。
次期大統領は現地時間10日遅くの記者会見で「新議会が始まるまでの数カ月間に幅広い議論が行われるべきだ」とした上で、「弁護士会、ロースクール、裁判官、法務従事者」が改革について議論することを望んでいると語った。
発言を受け、アジア時間11日の早い時間帯にペソは対ドルで一時1.8%安の1ドル=18.58ペソとなった。 流動性がなお低い中、新興国市場通貨の中で最も力強い動きだった。
メキシコ・ペソは週間で7%超下落へ、世界最高クラスから最悪に転落
与党が議会選挙で予想以上の議席を獲得し、退任するロペスオブラドール大統領が掲げた憲法改正案の承認に必要な票数にかなり近づいたことで、投資家は神経質になっている。司法改革では、国民投票で選ばれる裁判官が最高裁などの裁判所に配置され、メキシコの勢力バランスが変わる可能性がある。
メキシコの銀行グルーポ・フィナンシエロ・バセのエコノミスト、ガブリエラ・シラー氏は「司法改革はメキシコのビジネス環境を悪化させるだろう。これによって為替レートの変動性は高止まりし、1ドル=20ペソを付ける可能性も否定できない」との見方を示した。
原題:Mexico’s Peso Sinks as Sheinbaum Embraces Judicial Reform (1)、Mexico’s Peso Sinks As Sheinbaum Embraces Judicial Reform (2)(抜粋)
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Maya Averbuch