松本パルコ後利用で商業施設案 民間企業が申し入れ 長野県松本市
来年2月末で閉店する松本パルコ(長野県松本市中央1)の後利用について、松本市の臥雲義尚市長は9日、松本パルコが民間企業から現在の建物を活用した複合商業施設を運営する提案を受け、前向きに検討していることを明らかにした。松本パルコは「できるだけ早期に一定の結論を出したい」としており、複合商業施設として再スタートする可能性が浮上した。 市議会9月定例会の一般質問で、阿部功祐氏(誠の会)の質問に答えた。市と松本パルコは、閉店後に公民連携施設を模索していたが、市長選直後の4月に白紙となり、パルコは撤退を決めた。その後も両者の関係は維持され、臥雲市長は先月、松本パルコの関係者と複合商業施設の情報を共有。提案した企業の代表者とも会い、「松本パルコの歴史を継承しながら、新たなにぎわいと楽しさを生み出せる施設をつくりたい」との意向を確認した。 企業名は現時点では明らかにしておらず、市は調整がついた段階で公表する考え。臥雲市長は「松本パルコの後利用は中心市街地の活性化を図る上で大きな鍵になる」とした上で、「あくまで民間企業の経営に関することであり、地権者をはじめさまざまな関係者がいる中で詳細を申し上げる立場にない」と述べた。引き続き動向を注視していく方針だ。 松本商工会議所商業部会の大宮康彦部会長は「パルコは松本の商業地の中心にあるので、まちづくりの点から実現することを願う。どのような施設が検討されているか中身は分からないが、パルコがこれまで果たしてきた他都市との差別化が図れるような施設になってほしい」と期待する。 パルコ運営会社の広報は取材に対し「話し合いがスタートした段階で、決まっていることはない。民間事業者同士の検討であり、実現しない可能性もある。冷静に見守っていただければ」と答えた。
市民タイムス