タワマン急増、人口3倍激増の武蔵小杉 町内会解散へ 防災体制どうする?
タワーマンションが次々とできている川崎市武蔵小杉駅の周辺で、町内会の1つが3月に解散することが分かりました。人口が劇的に増える一方で、なり手が見つからず存続を断念しました。 【画像】町内会なくなって防災どうする 高層マンションの住民と連携した新たな組織とは
■「マンション率が90%以上」 役員も高齢化
タワーマンションが林立する川崎市の武蔵小杉駅周辺。小杉3丁目町会、いわゆる町内会は、3棟のタワマンもある武蔵小杉の中心ともいえるエリアをカバーしています。この町会の会長は五十嵐俊男さん(81)です。 五十嵐さん 「大きなマンションですけど、去年かおととしに入居が始まった。昔はね、私が来たころは八百屋の市場だった。それこそ毎週競りがあったりして」 武蔵小杉に住み始めておよそ70年。特にこの20年で町は大きく様変わりしたといいます。 五十嵐さん 「もうね、(住宅)マンション率が90%以上。ほとんど、どこもマンションです」 道路拡張や再開発で、町工場や商店、戸建て住宅が激減。2000年に1870人だった人口は、去年9月末時点で5508人に激増。およそ3倍になりました。 その一方で、町会の会員は減り続けてきました。役員も高齢化し引き継ぐ人がいなくなったため、解散を決めたといいます。 五十嵐さん 「高層マンションの人たちが若い人がいるから、何とかなるかなって思ったんだけど。でも、みんなサラリーマンでまだ40代。月に1回の会合だってなかなか出てこられない状況。その人たちにね、(町会の仕事を)全部かぶせることもできないし」
■災害時にリスク「一定の組織必要」
町内会・町会とは、行政と住民をつなぐ自主的な組織で、地域住民の交流や災害時の助け合いなどを担います。会費は月数百円程度で入会は任意です。 近くに住む人 「(Q.町内会に入っていますか?)入ってないです。どういう活動しているのかも、よく分かってないので」 「町内会の仕組みというか、案内もあまりなかった」 都市部のマンションでは居住者同士で接触を持たない人も多く、入会の知らせや活動内容を伝えることが難しいといいます。時代と合わなくなりつつある町内会ですが、行政は災害が起きた時、町内会のような組織がないと困るといいます。 中原区役所 危機管理担当 青柳努課長 「個人に一軒一軒ご要望を聞いて支援していくと、なかなか他の必要な支援の方に手が回りにくい。(地域で)一定の組織というのは必要なのかと思います」