「ポーカーフェイスの鉄仮面」ノーノー&15勝で長嶋巨人初Vの立役者に
創立90周年を迎えた巨人。巨人での出場試合が多い野手、投手を中心に記録にも記憶にも残る歴代の「偉人」を紹介します。第40回は加藤初。 * * * * * 加藤初は「ポーカーフェイスの鉄仮面」と言われた投手だ。 1949年12月20日、静岡県生まれ。吉原商(現富士市立)から亜大に進むも中退し、大昭和製紙へ。4年目に都市対抗に出場し活躍。71年ドラフト外で西鉄に入団。72年、17勝を挙げ新人王に輝く。ドラフト制度が始まって以来、ドラフト外で初の快挙だった。 76年、トレードで伊原春樹とともに巨人入団。4月18日の広島戦でノーヒットノーランを達成。この年15勝4敗の好成績で、長嶋監督が前年最下位から優勝するという劇的なシーズンの立役者になった。 83年に右肩の血行障害が起こり、バイパス手術を行うなど故障もあったが、王政権の87年は7勝1敗で、リーグ優勝に貢献。同年の西武との日本シリーズ第1戦ではリリーフ登板。37歳10か月で勝利投手となり当時の最年長記録となった。ピンチになってもマウンドで表情を変えず、黙々と投げる姿に「鉄仮面」の異名がついた。 89年からは兼任コーチになり90年に引退。西武コーチを経て、韓国、台湾でもコーチを務めた。2016年に死去。
報知新聞社