生成AI “広告”に“会議”に活用 効率化も…新たな課題 “ヒトの仕事”奪われる?
日テレNEWS NNN
「ChatGPT」をはじめ生成AIの活用が世界で広がる中、私たちの“仕事”や“働き方”にも変化が訪れています。 ◇ 飲料大手・伊藤園が去年リニューアルした商品のパッケージ。デザインの原案は“生成AI”です。さらにはCMに起用されていた女性も、生成AIによって作られた実在しない人なんです。
生成AIとは、学習したデータをもとに文章や画像などを生成する人工知能のことです。 大手食品メーカー日清食品では、“独自の生成AI”「NISSIN AI-chat」を会議中に活用しています。
セールスプロモーションチームの会議 「きょうのミーティングなんですけど、夏場のどん兵衛のプロモーションについて」 生成AIが提案したのは、「夏の新しい食習慣を提案し、新しいトレンドを生み出す」というもの。さらに、次のような具体案も。 「夏ならではのアクション、(AIが)10個あげてまして、真夏の新定番『冷やしどん兵衛』とか『どん兵衛夏フェス』」 短時間で多様なアイデアを提案する「AI」のおかげで、会議時間は短縮。その分の空いた時間を、商談の準備などに使えるように。 日清食品 ビジネスソリューション本部 渡辺英樹副本部長 「アイデア出しの最初の一歩をAIチャットが答えてくれるので、提案力自体のアウトプットというところも、すごくクリエーティブなものができるようになってきていると思います」 ◇ 一方、生成AIによって新たな課題も生まれています。 教育事業などを展開するベネッセコーポレーションでは、ホームページ作りなどに生成AIを活用しています。
ベネッセ デジタルマーケティング部 冨田幸子課長 「(生成AIだと)時間をかなり短縮して、品質を担保して作業ができる」 削減できたのは、時間だけではありませんでした。 ベネッセ デジタルイノベーションパートナーズ 水上宙士副本部長 「15名くらいでワンチームでやっていた作業が、半分くらいにすることができています」 業務の効率化に成功した半面、“従業員の人員配置”が新たな課題になっています。 水上宙士副本部長 「来年度からまた組織も変えていこうと思っていますので、その中で配置転換みたいなところは進めていければなと」 ◇ 去年、アメリカの映画界では、「俳優の役を生成AIが担うことになってしまうのではないか」という懸念などから、ストライキが行われました。 “生成AIによってヒトの仕事が奪われるかもしれない”。 こうした課題に対し、ベネッセなどは業種の垣根を越えて取り組む団体「Generative AI Japan」を設立しました。
Generative AI Japan 宮田裕章代表理事 「生成AIというものを前提として、人材を育てたり、ルール作りをしていく。これがやはり1社だけでは難しいということで、これを協力してやっていこうと」 新たな課題も見つかる中で、「生成AI」を上手に使う、人間の対応力も求められそうです。