ポルシェ911初のハイブリッドモデル、「カレラGTS」登場。先代比61psパワーアップ
ハイブリッド化とともに走行性能も大幅に向上
2024年5月29日、ポルシェジャパンは新型「911カレラGTS」の予約受注を開始した。「カレラGTS」には911シリーズで初となるハイブリッドパワートレーンが設定された。また、同時に3.0Lエンジン搭載の「911カレラ」も予約受付開始となる。 【写真】ハイブリッドが加わった新型ポルシェ911をもっと見る ポルシェのスポーツカーラインナップの象徴である911シリーズの「カレラGTS」に新開発の超軽量パフォーマンスハイブリッドが搭載され、911として初のハイブリッドモデルが誕生することになった。この新開発の3.6Lパワートレーンシステムのおかげで、先代モデルから走行性能を大幅に高めており、「911カレラGTSクーペ」では、0→100km/h加速が3.0秒、最高速度は312km/hに達するという。 新型911シリーズはその他にも、デザインの刷新、エアロダイナミクスの向上、斬新なインテリア、標準装備のアップグレード、コネクティビティの拡張などが実施され、3.0Lエンジンを搭載した新型「カレラ」も同時に発売開始された。 「カレラGTS」に搭載される「T-ハイブリッドドライブ」の心臓部には新開発の3.6リッター水平対向エンジンが存在し、高電圧システムによってエアコンコンプレッサーを電動で駆動することが可能になり、ベルト駆動が省略された結果エンジンが大幅にコンパクトになり、電源ユニットの上部にパルスインバーターとDC-DCコンバーター用のスペースが空き、ボアは97mm、ストロークは81mmに拡大され、先代に比べて排気量は0.6リッター増加した。 また、コンプレッサーとタービンホイールの間に組み込まれた電気モーターで瞬時にターボチャージャーの速度を上げ、ブースト圧を即座に上げられるようになった。さらにウェイストゲートのない電動ターボによりターボチャージャーを2つから1つに削減できたことで、よりダイナミックで応答性に優れたパワー供給が可能になっている。 ちなみに、このシステムは排気ガスの流れからエネルギーを得て作動しており、電気モーターがジェネレーターとしても機能することで、最大11kW(15PS)の電力を発生する。 パワートレーンに組み込まれた電動モーターは、アイドル回転数でも最大150Nmの駆動トルクで水平対向エンジンをサポートし、最大40kWの出力向上を達成したが、先代モデルからの重量増加は50kgにとどまるという。 なお、3.6L水平対向エンジンは電動モーターによるアシストなしでも357kW(485ps)の出力と570Nmのトルクを発生し、システム合計出力だと398kW(541ps)、合計トルクは610Nmとなり、先代モデル比で45kW(61ps)もパワーアップしている。