円は対ドルで144円台後半に小幅下落、ドル買い戻しの流れが継続
（ブルームバーグ）： 27日の東京外国為替市場で円相場は小幅下落し、１ドル＝144円台後半で推移。パウエル米連邦準備制度理事会（ＦＲＢ）議長の発言後に進んだ大幅なドル安の揺り戻しによるドル買い・円売りが続いている。
スタンダードチャータード銀行の江沢福紘フィナンシャルマーケッツ本部長は「前日の海外市場からのドル買い戻しが続き、円の重しになっている」と説明する。一方、緩和政策の正常化に向かう日本と、利下げ局面に入るとみられる米国の金融政策の方向性の違いは円の下支えになりやすいと話した。
金利スワップ市場では米金融当局が年内に計100ベーシスポイント（ｂｐ、１ｂｐ＝0.01％）の利下げを行うことを織り込んでいる。江沢氏は、こうした積極利下げ観測は裏付ける指標が出ないと修正されやすく、ドル買い材料になると指摘する。
一方で、日本銀行の追加利上げ観測が高まれば円高要因になり得るとし、日米両方の要因で「綱引きしながら、材料を待つ時間が続きそうだ」と述べた。金利スワップ市場が織り込む年内の日銀による追加利上げの確率は３割程度にとどまる。
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Daisuke Sakai
