約1.5億円の目標達成を確信、43歳の女性が実践するFIREメソッドとは？（海外）
買い物を「トリミング」しながら資産を増やす
10代だったころ、ミリアムはウェイトレスとして働き、時給2.65ドル（約398円）とチップを稼いでいた。そのころ、自分でお金を稼ぐことで得られる「自由という甘美な味」への欲求が強くなった。 この欲求をうまく満たす方法は知らなかったが、数年をかけて自分にとって有効な貯蓄方法を見つけていった。 彼女にとって貯金と投資を増やす最高の戦略は、購入の「トリミング」、つまり買い物の出費を切り詰めることだった。大きな買い物をするとき、だいたいの値段を予想し、そこから10％を「トリミング」する、要するに1割安上がりにするよう工夫した。 「たとえば旅行に2000ドル（約30万円）かかりそうなときは、200ドル（約3万円）を切り詰めて1800ドル（約27万円）にし、その差額の200ドルを投資に回した」と彼女は説明する。「投資額を増やすための単純な方法」だった。 借金を減らすことも優先し、これが役に立った。ミリアムは、15年前に月450ドル（約6万7500円）の自動車ローンを完済したことが、資産形成に大いに影響したと指摘する。それまで自動車ローンの返済にあてていた額を株式市場への投資に使うようになった。それ以来、自動車ローンを支払ったことがない。 また、「タダでもらえるお金に勝るものはない」をモットーに、401(k)への雇用主によるマッチング拠出の活用も始め、さらにいくつかのサブスクリプションも見直した。加えて、パーソナルファイナンス系のブログを始めたことで、自分の行動に責任をもつようになった。 貯蓄目標を設定するために、ネットにあるさまざまな退職金計算機を試し、自分にとって最適な目標額を見つけた。
「豊かになりたいならたくさんの本を読むべき」
投資に関して言えば、おもに分散型の投資信託を利用しているが、アップル、アルファベット、アマゾン、エヌビディアには個別投資も行なっている。 確かに、株式市場は予測が難しく、ミリアムもこれまでの投資で得られたような利益が今後も得られる確証はないことを理解している。 そのため、彼女はこれまでうまく資産を増やせてきたにもかかわらず、いまだに積極的にお金にまつわるアドバイスを探し続けている。たとえば、スーズ・オーマンなどといったパーソナルファイナンスに精通する著者の本や、マーク・キューバンのような裕福な人々の自伝などをたくさん読んでいる。 「豊かになりたいなら、家が書店のように見えるぐらいたくさんの本を読むべきだ」とミリアムは言う。 自分の貯蓄計画を守り続けるよう心がけてはいるが、ときには、旅行、外食、コンサートなどで散財することもある。去年はビヨンセのルネッサンス・ツアーのチケットがとれて、大喜びしたそうだ。 「お金で特定の目標額に達したら、集中力を保つために、少し冒険して、自分に褒美を出す」と、語る。 加えて、収入の多くを投資に回す一方で、じゅうぶんな生活防衛資金の確保にも努めている。 総合的に見て、ミリアムは過去の年月を通じて集めてきたパーソナルファイナンスに関する知識のおかげで、富を築くことができた。 「私にとっては、貯蓄知識を身につけることが、借金を減らして財を築く秘密兵器となった」とミリアムは語った。 ※本記事は取材対象者の知識と経験に基づいて投資の選定ポイントをまとめたものですが、事例として取り上げたいかなる金融商品の売買をも勧めるものではありません。本記事に記載した情報や意見によって読者に発生した損害や損失については、筆者、発行媒体は一切責任を負いません。投資における最終決定はご自身の判断で行ってください。
Jacob Zinkula
