蒼井 優さん、春らしい着物に笑顔「まとうだけでワクワク」ベネチア国際映画祭での振袖逸話も
透明感のあるナチュラルな美しさが魅力の俳優・蒼井優さんに、春らしい着物を着こなしていただきました。
「お仕事を通して定期的に着物を着てきましたが、着物はまとうだけでワクワクするような高揚感が生まれ、大好きです」 蒼井さんがお召しの小紋は、ピンク色の地に鉄線と牡丹を総身に表した、春らしさに満ちたもの。水彩画風の渗んだタッチは、型を何枚も重ねて細やかに表現しています。甘い印象の着物に、黒地のポイント柄のしゃれ袋帯を合わせることで、全体を引き締めた着こなしに。 着物/塚本呉服店 制作/野口 帯/外市 帯〆/さんび[荒川] 帯あげ/みふじ[加藤萬]
こちらの訪問着は、春の光のなかを飛ぶ鳥をデザイン化し、カラフルな配色で表したもの。一般的な友禅のように輪郭に糊を置くのではなく、素描きの斜線を重ねて鳥のフォルムや躍動感のある羽ばたきを表現した珍しいデザインです。黒地に唐花模様の袋帯と合わせ、パーティなどのドレスアップシーンでも映える、華やかで印象的な着こなしに仕上げています。 着物/千總 帯/外市 帯〆/龍工房 帯あげ/渡敬 バッグ500,500円(予定価格/麻布台限定)/セリーヌ バイ エディ・スリマン[セリーヌ ジャパン] ぞうり/さんび[荒川]
蒼井さんは2006年にベネチア国際映画祭に参加した際、成人の記念撮影用に求めた振袖をまとい、レッドカーペットを歩いたことが話題になりました。 「松に梅が大きく描かれた赤い振袖を着ました。意図していたわけではなかったのですが、和の赤はレッドカーペットとは色みが違うので同化せず、むしろ華やかに映えたんです」。足元にはぽっくりを合わせ、イブニングドレスにも負けない迫力と華やかさで好評を得たそうです。 蒼井さんのこれからの目標として、自分で着物が着られるようになり、「人生行事や友人の結婚式、歌舞伎の観劇にも気軽に楽しめたら」と語ってくださいました。 あおい・ゆう●1985年生まれ、福岡県出身。99年にミュージカル『アニー』でデビューし、2006年公開の映画『フラガール』では第30回日本アカデミー賞の最優秀助演女優賞、新人俳優賞を受賞。出演映画は『リリイ・シュシュのすべて』『スパイの妻(劇場版)』ほか多数。23年後期のNHK連続テレビ小説「ブギウギ」にも出演。 撮影=横浪 修 ヘア&メイク=石川智恵 着付け=中須宜子 『美しいキモノ』2024春号