自宅以外の退避場所が課題に 北陸電力志賀原子力発電所の事故を想定した防災訓練で体育館に避難
富山テレビ放送
石川県志賀町の北陸電力志賀原子力発電所の事故を想定した県の防災訓練が24日、氷見市で行われました。 元日の能登半島地震では、放射性物質の放出など重大事故はなかったものの、住宅が損壊した住民の屋内退避が課題として浮き彫りとなり、訓練は、「避難のあり方」に重点が置かれました。 志賀原発で放射能漏れの可能性が高まった場合、半径30キロメートル以内の氷見市の住民は、県や市の避難計画で、自宅などの建物にとどまる「屋内退避」をすることになっています。 しかし、能登半島地震では住宅の倒壊が相次ぎ、屋内退避が難しいケースが発生し、自宅以外の退避場所などの課題が浮き彫りとなりました。 訓練は、志賀町で最大震度7の地震が発生し、志賀原発2号機の外部電源が喪失、放射性物質が漏れ出たという想定で行われました。 原発から半径30キロ圏の氷見市では… *リポート 「体育館には自宅が全壊し、屋内退避ができない想定で、住民が集まってきています」 今回、初めて、2つの旧小学校を、一時集合場所とし、自宅が全壊し、屋内退避ができない住民が避難する訓練が行われました。 一時集合場所に避難した住民は、建物の隙間から放射性物質が入らないよう自分たちで窓のサッシなどを目張りし、その後、被ばくを抑える安定ヨウ素剤に見立てた飴を受け取り、飲むタイミングや効果について説明を受けました。 また、市内の公園には遠方へ避難する車両が集まり、人体や車のワイパー、タイヤなどに放射能汚染がないか検査が行わました。 *参加した住民は 「大規模(な訓練)で驚いた。本番にここまで準備できるのかなという不安はあるが…」 「能登半島地震があり、原発が近くにあるので、いつ自分にこのようなことが起きるかどうか身近に感じる」 「東日本大震災のようなことにならなければいいなと」 *新田知事 「なるべく現実に近い形でやることによって、万が一に備えていく、お互いの役割分担やエアポケットみたいにこぼれるところがないか確認しながらやることが大切。一時避難所がどこであるかが周知徹底されているか。そこにどうやっていくかも整理をしていく必要がある」 再稼働を巡り、議論が進む、志賀原発。北陸電力は、原子力規制委員会の審査で能登半島北部の海域活断層が連動する長さを、およそ96キロから、1.8倍のおよそ178キロに見直しました。 巨大地震で原発事故への不安が増す中、県は、今後も参加機関や参加住民を増やし訓練を行い、連携強化を図っていくことにしています。
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