地域存亡の危機「皆さんダメージ大きい」それでも前向きに…飲食店経営の男性が語る“豪雨災害”被災地のいま
北陸放送
能登豪雨による土砂崩れで道路が寸断され、一時孤立状態に陥った石川県輪島市の南志見(なじみ)地区。地震で人口流出が進み、存亡の危機に立たされている地域のいまを取材しました。 【写真】一時孤立状態となった輪島市南志見地区 MRO北陸放送・町野拓巳 記者「名舟漁港に繋がる川の河口では、大量の流木が橋に流れ着いたままの状態になっています」 輪島市南志見地区で、飲食店やゲストハウスを営む奥田和也さんです。豪雨が襲った当時の様子を話してくれました。 奥田和也さん「橋の柵を乗り越えるくらい水量が多くて、山から土砂とか倒木とかすごく溜まっていてあふれている感じだった」 奥田さんの店舗は無事でしたが、近くの住宅などは流されたほか、生命線の水道管も破壊され、地区が壊滅的な被害を受けました。 ■「地震のあとよりも悪い」それでも前を向く… 奥田和也さん「そこも水道管が走っていた。これも土砂で押されて流れてしまって、いま川からこっちは水が来ていない感じ」 激しさを増す濁流は何もかも飲み込んでいきました。 奥田和也さん「ここは道路だった。ここに車一台通れるような道路があって、この裏から広場にでれることになていたんけど、道路もなくなってしまったし。なんか地震のあとよりも正直、状況が悪い」 地震から約10か月。南志見はまさに再スタートを切ろうした矢先の水害でした。 奥田和也さん「南志見地区は9月から(公費)解体を始めている。ずっと進んでいない状況で、ようやく少し解体が入ったという状況でこんなことだから、皆さんすごくダメージが大きい。明るいニュースは全然ないけど、5年後10年後は分からない。今は、とりあえず土砂を出したし、仕事ができるようになったし、前向きにちょっとずつ、できることは今まで通りやっていこうかな」 奥田さんは、いつか南志見に明るいニュースが来ることを信じて、日々自分にできることを積み重ねています。
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