有機フッ素化合物(PFAS) 14カ所で目標値上回る 岡山市が追加調査結果公表
岡山市北区御津地区を流れる旭川水系の1級河川・三谷川とその支流で国の暫定目標値を上回る有害な有機フッ素化合物(PFAS)が検出された問題で、市は19日、三谷川流域で行った追加調査の結果を公表した。川と周辺の地下水計14カ所で目標値を上回り、最大で9・4倍を検出。水道水に影響はなく、健康被害は確認されていない。 PFASは発がん性が指摘され、国の暫定目標値は1リットル当たり50ナノグラム(ナノは10億分の1)。今回は支流上流域を中心に10月18~31日に河川8カ所を調べ、石原川の3カ所(320~81ナノグラム)、間瀬川の3カ所(100~97ナノグラム)で目標値を上回った。地下水は10月11~25日に民家や事業所の8カ所(同御津宇垣、同御津河内)で井戸水を調べ、470~65ナノグラムと全地点で超えた。
市は併せて三谷川近くの事業所からの聞き取り調査も行ったが、原因の特定に至らず、調査を継続する方針。石原川、間瀬川のさらに上流域、他の井戸水も調べ、汚染エリアや発生源の特定を急ぐ。 調査を踏まえ、市は井戸水を飲まないよう住民に注意を呼びかけており、環境保全課は「市民の不安を解消するため、原因究明と正しい情報発信に努めていく」としている。 市は隣接する岡山県吉備中央町の浄水場からPFASが検出された問題を受け、三谷川などで8月下旬から調査を進めている。河川10カ所を対象とした初回調査では最大で目標値の2・6倍を検出した。