スマホ出荷台数、上半期に13.2%増加
【東方新報】今年上半期、国内のスマートフォン市場は成長を続けた。中国信息通信研究院(中国信通院)のデータによると、今年前半の国内スマートフォン出荷台数は1億4700万台で、前年同期比で13.2パーセントの増加となった。そのうち、5Gスマートフォンは1億2400万台を占め、前年比で21.5パーセント増加し、全体の84.4パーセントを占めている。 成長の要因について、賽迪智庫未来産業研究センターの主任である鐘新龍(Zhong Xinlong)氏は、年に一度の「618」セールなどが短期的に売上を押し上げたと指摘している。また、技術の進化により、人工知能(AI)を搭載したスマートフォンが、より賢い音声アシスタントや優れたカメラ機能などを提供するようになり、テクノロジーを求める消費者を引きつけ、市場に新たな活力をもたらしている。 さらに、政府のさまざまな支援政策も、スマートフォン産業の成長に貢献している。眾誠智庫の上級アナリスト、白振宏(Bai Zhenhong)氏によれば、『電子情報製造業2023―2024年成長促進計画』では、「2024年には、5Gスマートフォンの出荷比率が85パーセントを超える」と明確に目標が設定されている。また、『電子製品消費促進に関するいくつかの措置』では、「新しい消費シナリオの創出」や「グリーンでスマートな電子製品の展示・販売活動」などが提案されている。 「2024年は、スマートフォンの買い替え時期にあたる。また、AI搭載のスマートフォンや折りたたみ式スマートフォン、5Gスマートフォンなどが続々と登場し、消費者の需要が高まることで、市場は低迷から脱し、成長を遂げている」と、賽迪顧問電子情報産業研究センターの総経理である賈珊珊(Jia Shanshan)氏は述べている。 国産ブランドも好調だ。中国信通院のデータによると、今年上半期、国産スマートフォンの出荷台数は1億2400万台に達し、前年同期比で17.6パーセント増加した。 白振宏氏は、上半期に国産ブランドが市場でリーダーシップをさらに強化し、高級市場戦略を着実に実行したことが、スマートフォンメーカーや関連企業にさらなる成長の機会をもたらしていると考えている。 市場調査機関カウンターポイント(Counterpoint Technology Market Research)の最新データによると、今年第2四半期、中国のスマートフォン販売台数は前年比6パーセント増加した。その中で、Vivoは市場シェア18.5パーセントで中国市場トップの地位を占めた。Vivoの映像副総裁、于猛(Yu Meng)氏によれば、国産スマートフォンは生成型AIや3D映像などの新技術を活用して、カメラ性能を向上させているとのことだ。 折りたたみ式スマートフォンも好調で、今年に入ってからの販売が急増している。賈珊珊氏は、折りたたみ式スマートフォンの画面サイズや携帯性、ソフトウェアの適合性が大幅に改善され、消費者の受け入れが大きく向上していると分析している。市場調査会社IDCの報告によると、今年第1四半期に国内で出荷された折りたたみ式スマートフォンは186万台に達し、前年同期比で83パーセント増加した。その中で、華為技術(ファーウェイ、Huawei)は44.1パーセントの市場シェアを持ち、1位を堅持している。 白振宏氏は、産業チェーンが改善され、部品のコストが低下することで、折りたたみ式スマートフォンの価格がさらに下がり、市場でのシェアが増えると予測している。 ただし、国内スマートフォン市場が完全に回復したと判断するのはまだ早いかもしれない。市場の成長には不確実性が残っている。鐘新龍氏は、5G技術がさらに普及し、AI技術がスマートフォン分野で進化し続けることで、今後も国内市場は成長を維持する可能性が高いと見ている。 賈珊珊氏は、今年下半期には、AIアシスタントや高性能チップなどの需要が増加し、AI機能を搭載したスマートフォンの供給が増えると予測している。また、5G技術の進展に伴い、5Gスマートフォンの普及も進むと予想される。折りたたみ式スマートフォンも引き続き進化し、普及が加速する可能性がある。 「下半期には、スマートフォン市場は穏やかに成長し、通常の状態に戻るだろう。国内市場は買い替えサイクルに入りつつあり、国産スマートフォンの国際市場での影響力も増している。海外市場での成長が期待される」と白振宏氏は述べている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。