永瀬廉、『よめぼく』は悲しいだけの物語ではない「不思議と前向きな気持ちになれる」【オフィシャルインタビュー】
■文化祭シーンで青春を疑似体験「キラキラしたいい時間を過ごせた」
――春奈役の出口夏希さんの印象は? ほんまに透明感がすごくある方でしたね。春奈のちょっといたずらっ子っぽいところ、天真爛漫な雰囲気をすごく魅力的に引き出してくれたし、ふたを開けてみると秋人以上に感情豊かな春奈になっていました。春奈の素直さ、まっすぐさに秋人も感化されていったんだろうなと感じます。ただ春奈は普段は気丈に振る舞っているけど、心の中で絶対に不安はあったと思います。それを秋人も分かっているから、同じ気持ちを共有していくんです。強さもあるけど、17歳の女の子らしい儚さもある春奈を、出口さんは等身大の魅力で演じてくれたので、僕もリアルに春奈を感じられてありがたかったです。 ――出口さんと春奈は永瀬さんの中でリンクしていましたか? 出口さんの方がもっとはしゃぐというか、キャピキャピはしていますね(笑)。でも春奈を演じる時はいいバランスで抑えてくれていたので、普段の彼女とはまた違う感じで。人の気持ちを明るくさせてくれるところは春奈と共通していたし、現場に出口さんがいるだけで皆が和まされていました。 ――撮影で印象に残っているシーンを教えてください。 病室から別々で見る花火のシーンは切なくて印象に残っています。あとはやっぱり文化祭!見ているだけでワクワクするような画の切り取り方、撮り方でした。秋人と綾香が春奈のために行動して、結果、春奈がすごくうれしそうな表情をしてくれるのが僕もうれしくて。秋人と綾香の行動力がすごく好きなシーンだし、2人の優しさを文化祭の一連の撮影からは感じました。 ――綾香が主演する劇(白雪姫)も力作でした。 あれはリアルタイムで僕らも見ていたんですよ。実際はもっと長い尺で演じられていて、楽しかったです。秋人としては春奈の体のことはもちろん心配だけど、“今”を楽しんでほしいという気持ちの方が強かったと思います。あの文化祭は秋人と春奈にとってかけがえのない1日になったと思います。撮影としては僕も出口さんもめちゃめちゃ楽しんでいて、普通にテンションが上がりまくっていました(笑)。文化祭の美術やセットが本当にすごくて、2人でずっと「すごい!楽しい!」って言ってましたね。高校生から見たら憧れるような文化祭だし、大人から見たらほほ笑ましいものがあると思います。キラキラしたいい時間を過ごせたことに感謝です。 ――シーンとしては文化祭から2人で海に繰り出しますね。 あそこは本当に綺麗な画が撮れました!限られた数10分間のゴールデンタイムを狙ったので、カメラマンさんも監督も僕らも必死で。少しでも時間を無駄にしないように全員でがんばりました。あの春奈をおんぶした後ろ姿は、自分で言うのも何ですが、すごくよかったなと思います。「俺、もってるな」と思いました(笑)。ただ当然春奈をおんぶした状態のまま、いろいろな角度から撮影したのですが、すごく引いた画の時に出口さんが謎に笑っていまして。僕が面白いことをしたのかな?正直あまり記憶にはないのですが、ずっと彼女はツボに入ってましたね。たまにおんぶされた状態のまま、「笑わせないで~!」って僕の脇腹を軽く蹴ってきたりしたという裏話もあります(笑)。 ――連日通った病室のシーンはいかがでしたか? よく覚えているのは春奈と綾香が仲直りしてからのシーンです。「学校みたいだね」というやり取りは、春奈にとっては久しぶりの風景でうれしかったんだろうなと思う反面、切なさもありました。でも秋人と綾香を引き合わせたのも春奈だし、3人の楽しい時間を意図せず作り出したのも、やっぱり春奈の力なんですよね。