バイデン氏、ネタニヤフ氏への逮捕状請求「許しがたい」 ICC検察官を非難
【ワシントン=大内清】バイデン米大統領は20日、国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)のカーン主任検察官がパレスチナ自治区ガザ情勢を巡り戦争犯罪と人道に対する罪の疑いでイスラエルのネタニヤフ首相らに対する逮捕状を請求したことについて、「許しがたい」と非難する声明を発表した。バイデン氏は同日、ホワイトハウスで開かれたユダヤ系米国人のイベントで演説し「(ガザで)起きていることはジェノサイド(集団殺害)ではない」とも語った。 カーン氏は、昨年10月のイスラエル奇襲に絡む戦争犯罪などの罪でイスラム原理主義組織ハマスの最高指導層らに対しても逮捕状を請求している。 バイデン氏は声明で、「イスラエルとハマス(の行動)は同等ではない」とし、イスラエル指導層への逮捕状請求は不当だとの立場を強調。カービー大統領補佐官は同日のオンライン記者会見で「ICCはガザに管轄権がない」との従来からの主張を繰り返した。 イスラエルや米国はICC非加盟だが、将来の国家承認を目指すパレスチナ自治政府は2015年に加盟している。 ガザ情勢を巡っては、中東訪問中のサリバン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)が19日、自治政府のムスタファ首相や、自治政府の母体であるパレスチナ解放機構(PLO)のシャイフ事務局長と会談し、ガザ支援や自治政府への財政支援などを協議した。ネタニヤフ氏らに対するICC逮捕状に反対する米国の立場などについても話し合われた可能性がある。