楽しく暮らすために「やめる」こと。見る方向を変えて気持ちをラクに
何気ない日々の生活や買い物、育児の中に“今”がある
SNSなどの普及により、昔に比べてさまざまな情報が手軽に入るようになりました。ただ、その一方で、知らないことを目の当たりにすると、少し否定的な気持ちにもなってしまいそうですよね。 「今この日本で、育児とか家事とかがんばっていたら、政治家たちより世の中のアップデートは早いのではないかと思うんです。たとえば、ひと昔前だと子ども服は、女の子はピンク、男の子はブルーが多かったですよね。でも今はそうじゃなくなった。若い世代の子ども服の主流は、オレンジと薄い紫だったりするし、その価値観はアップデートされている」 「子どもがYouTubeの動画を長時間視聴していることが心配と考えている親御さんもいるかと思いますが、今の番組は、キャラクターの描き方も私たちが見ていた昭和のアニメとかよりもちゃんとしていると思うことが多いし、今の子たちが見ているものは新しいし早い。何時間もテレビ見せっぱなしで悩んでいる方もいるかもしれませんが、私たちが見ていたものよりは、全然よいと思います」 また、「スーパー」に行くことでも“今”を知ることができるそうです。 「スーパーに置かれている商品を見ているとなんとなく時代をつかむことができますよね。あと、じつはアクションを起こすことも簡単にできる。毎回考えなくてもいいですが、たとえば“そうめん”を3種類から選ぶとして、値段がそんなに変わらないなら、少し企業の背景のことを考えて選んでみる。 やっぱり消費者の声っていちばん大きいからこそ、不買運動とか、大きな発言とかアクションをしなくても、自分たちの消費行動で世の中って大きく変わるんじゃないかな。だから、少しだけでも、日本のお金のなさはどこから来るのか、なんでこんなに働いてもラクにならないのか、それを変えるにはどこにお金を落とすといいのか、ということを考えてみることがいいのかなと思います」
楽しそうな人をフォローしていれば、いつしか楽しい人生になる
身近なところに参考になるものがたくさんあると分かると、少し日々の暮らしが楽しくなってきますよね。ほかにも、毎日を楽しく過ごすためのコツはあるのでしょうか? 「楽しそうな人を見ていると、自分も楽しくなってくるってことがあると思います。今の日本って楽しそうな人が許されなくなっているし、楽しそうな人って叩かれやすい。じつは歴史上に楽しいままリッチ&オーライで生きた人ってたくさんいますよね。日本で生きて、楽しい人や楽しそうな人、楽しかった人みたいなのを調べてみると、自分が楽しく生きる参考になるかもしれません」 「自分のなかで少し意識を変えてみるだけで、見え方も変わってくる」。そう語る柚木さんが最近影響を受けたのがタレントのpecoさんなのだそう。 「pecoさんの著書『My Life』を読んで感銘を受けたんですけど、pecoさんは辛いことがあったのに充実して生きていらっしゃる。ああいう人を見ていると、なにかヒントをつかめるような気がしますよね。 『My Life』のいいところは、ryuchellさんが亡くなってお辛いときのpecoさんに「洋服のブランドをやらないか」って、ある人物が声をかけに来るところ。その人物というのが、若槻千夏さんなんです。この出会いで、全部が回り始める。見る方向が違うだけで、こんなにプラスのことになるんだなってわかる、すごくいい話でした。ジェンダーなどの教育にも役に立つ本だと思うので、ぜひおすすめしたいです。 こんな社会にいたんじゃダメだって思うことあるかもしれない。けれど、意外とスーパーで買うものひとつ、YouTubeの再生ひとつ、今いる仲間の中で手をとる相手ひとつで、もしかしたら10年後、すごく幸せになれるかもしれない。ちょっとだけうまく元気にしている人たちのアクションを見てみると、参考になるのじゃないかな…なんて思います」
ESSEonline編集部