恋人や夫婦、家族に本音は必要? 遠慮せず、持続的な関係のためにできること 『9ボーダー』7話
19歳・29歳・39歳。節目の年齢を目前にした三姉妹が「LOVE」「LIFE」「LIMIT」の「3L」について悩み、葛藤し、それぞれの答えを見つける過程を描くヒューマンラブストーリー『9ボーダー』(TBS系)。第7話、大庭家の次女・七苗(川口春奈)とコウタロウ(松下洸平)、そして家族の面々が「本音」をキーワードに関係を進展させる。 【イラストで見る】ドラマ『9ボーダー』
無理してハンバーグを食べる七苗
幼なじみの高木陽太(木戸大聖)とお昼に親子丼を食べている時に、コウタロウ(松下)から電話で誘われた七苗(川口)。昼食中だとは言い出せず、無理して一緒にハンバーグランチを食べることに。 好きな相手のために、ちょっとだけ我慢する。一緒にいたいから、少しだけ無理をする。相手を大切に思うからこそ滲(にじ)む、ちょっとした自己犠牲。誰しも大なり小なり、覚えがある感情ではないだろうか。 相手への「好き」という気持ちや「会いたい」という願望ゆえの優しさ、思いやりが、ときにはボタンを掛け違うきっかけになってしまうこともある。 七苗とコウタロウの場合は、しっかり相手に向き合い、長く関係を続けていくために「本当のことを言う」と約束し合った。相手に遠慮して嘘をつかないこと。我慢しないこと――。台風のせいで停電してしまった大庭家で、毛布にくるまりながら、そっと言葉を交わし合う七苗とコウタロウは、きっとようやく本音で話ができたに違いない。 恋人や夫婦に、本音は必要なのか。持続的な関係のために、嘘はつかず、正直にいるべきなのか。 大庭家に戻ってきた父・五郎(高橋克実)は言っていた。三姉妹の母が家から出ていってしまうあたりから、夫婦の関係は「話したいこと話さないで、ぶつからないように逃げて、そのままお互い何考えてんのか分からなくなった」と。 相手の心や立場を慮(おもんぱか)り、言葉を選ぶことは大切だ。それでも、遠慮や我慢が優しさや思いやりに取って代わる日がやってくるかもしれない。あまりにも、ぶつかり合うことを怖がっていると。