ニンジン品薄9割高 3月の低温響く 今月後半は入荷回復へ
ニンジンが品薄で高騰している。3月以降の低温や降雨で生育、収穫作業に遅れが出たためで、主要卸の1キロ価格は12日、平年の9割高を付けた。直近の天候回復で月後半は徐々に入荷が回復し、産地は売り込みを強める。 日農平均価格(各地区大手7卸のデータを集計)は、上旬は1キロ223円と平年(過去5年平均)比77%高。7卸取引量は同23%減にとどまり、上半期(1~6月)の旬単位では過去10年で最高値。12日は242円まで上げた。 4月は端境の産地が多く、徳島産の入荷量が東京市場で8割、大阪市場で7割とシェアが高い。JA全農とくしまは「播種(はしゅ)期は高温と干ばつ、その後雨と影響を受け、出荷が始まった3月以降も雨天が多く収穫が遅れた」と説明する。 直近では天候が回復し、同県産は来週以降、出荷最盛を見込む。東京の青果卸は「高値を徐々に落ち着かせ、荷動きを良くしていきたい」と話す。
日本農業新聞