石破首相の街頭演説会場の入り口で、金属探知機を使った検査を受ける来場者ら（19日、鹿児島市で）＝秋月正樹撮影

　衆院選の公示後初めての週末を迎えた19日、与野党の幹部や知名度の高い議員が九州の激戦区に入り、支持を訴えた。要人の襲撃事件が相次ぐ中、同日朝には自民党本部に火炎瓶が投げ込まれ、首相官邸前に車が突っ込む事件も発生。石破首相が来県した鹿児島では厳重な警備が敷かれた。 【写真】火炎瓶のようなものが投げ付けられ、自民党本部の入り口付近を調べる警察官（19日午前9時54分、東京都千代田区で）

　石破首相は自民党前議員が野党や無所属候補らと激しく争っている鹿児島1、2、3区の街頭3か所で演説。「政治資金の不記載は幾重にもおわびをしていかなければならない。二度と起こさないという反省のもと、この国をどうするか皆様に問うている」と訴えた。

　演説会場となった鹿児島市内の公園では、聴衆への金属探知機による手荷物検査などが実施された。この日の事件を受け、出入り口を2か所から1か所に減らし、警備を強化した。陣営関係者は「警察官に頼りきりにならず、私たちも警備の意識を高めないといけない」と話した。

　一方、立憲民主党の福山哲郎・元幹事長（参院議員）は宮崎市内のホテルで開かれた、同党前議員の集会に参加。「政治とカネ」の問題を挙げ、「野党は批判ばかりだと言われるが、やらかした方が悪いに決まっている」と批判。「石破さんでも変えられないことが分かり、自民党は限界に来ている」と語気を強めた。