英インフレ率、中銀目標下回る－利下げ観測強まりポンド1.3ドル割れ
（ブルームバーグ）： 英国のインフレ率は９月に、イングランド銀行（英中央銀行）の目標である２％を３年半ぶりに下回った。来月の追加利下げの土台が固まった。
英政府統計局（ＯＮＳ）の16日の発表によると、９月の消費者物価指数（ＣＰＩ）は前年同月比1.7％上昇。前月の2.2％上昇からインフレが鈍化した。エコノミスト予想は1.9％上昇、中銀の８月時点の予測は2.1％上昇だった。
発表を受けてポンドは下落。一時0.6％下げ１ポンド＝1.30ドルを下回った。1.30ドル割れは８月以来。
短期金融市場では利下げ観測が強まり、トレーダーは11月と12月の２会合連続利下げを見込んでいる。ＣＰＩ発表前は年内にあと１回の利下げのみが想定されていた。
航空運賃とガソリン価格の低下、サービスインフレの鈍化がインフレ率を押し下げた。サービスインフレは4.9％で、予想中央値の5.2％を下回った。
インフレデータは金融当局者に物価圧力が抑制されているという自信を与えるものだ。ただ、エネルギー価格の影響低下で今後数カ月にインフレ率は再び上昇すると見込まれている。
ベイリー中銀総裁はインフレが抑制された状態が続けば利下げについて「より積極的」になる可能性を示唆している。
英産業連盟（ＣＢＩ）の主席エコノミスト、マーティン・サートリアス氏は「９月のインフレ率が目標を下回ったことで、中銀が11月に利下げに踏み切る可能性が高まった。最新のデータは、金融政策委員会（ＭＰＣ）メンバーに物価上昇圧力が緩和していることを確信させるだろう」と述べた。
中銀当局者らは労働市場とサービスインフレに起因する国内物価圧力をなお懸念しているが、９月のサービスインフレ率は中銀がこの時点のものとして予測していた5.5％を下回り、22年５月以来の低水準だった。
15日発表の賃金データも落ち着きを示し、賞与を除く賃金の伸びは２年余りで最小だった。
原題：UK Inflation Drops Below BOE Target, Boosting Case for Rate Cut（抜粋）
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Tom Rees, Philip Aldrick, Irina Anghel
