ザックジャパン ギリシャ戦のメンバーをどう変えるべきか?
ワントップは?
最後に1トップ。コートジボワール戦のスタメンは、実は柿谷ではないかと考えていた。相手に押し込まれることが予想されるゲームでこそ、柿谷の裏への飛び出しが威力を発揮するからだ。柿谷が常に裏を狙う姿勢を見せれば、グイグイと攻め立ててくるコートジボワールの喉もとにナイフを突き立てるようなゲームができる。そうして、押し込まれた状態から一気に形成を逆転し、ゴールを陥れたのが、優勝した昨年7月の東アジアカップの韓国戦だった。 ところが、コートジボワール戦のスタメンは大迫だった。チームが押し込まれたため、大迫は前線で孤立し、得意のポストワークで周囲を生かす場面もなかった。もし、柿谷のコンディションやメンタル面が上がっておらず、大迫のほうが好調なら、ギリシャ戦でも大迫が先発するだろう。そうではなく、コートジボワール戦で大迫が選ばれたのが戦術的な理由だったなら、ギリシャ戦では代わって柿谷が起用される可能性も少なくない。
ギリシャはDFラインの設定が低いため、裏のスペースがあまりなく、柿谷の飛び出しがそこまで生きない。だが、柿谷の魅力はそれだけではない。狭いエリアでも味方とのコンビネーションで崩せることにもある。引いて守るギリシャに対し、本田や香川との細かいパス交換で中央を攻略し、DFとの駆け引きで、本田や香川のためのスペースを作ることにも長けている。 大久保を先発させる手もある。ただし、ザッケローニ監督は、これまでの起用法を見る限り、試合の流れを代えるジョーカーとしての役割を大久保に期待しているため、できれば最初は懐に忍ばせておきたいはずだ。劇的に代えるというより、原点に戻るために適したメンバーの起用。ギリシャ戦のピッチに立つスターターの11人は、おそらくそうした観点から選ばれる。 (文責・飯尾篤史/サッカーライター)