尼崎脱線事故19年、心に刻む JR西社長「安全は根幹」
乗客106人と運転士1人が死亡し562人が重軽傷を負った2005年の尼崎JR脱線事故は、25日で発生から19年となった。JR西日本は兵庫県尼崎市の事故現場に整備した「祈りの杜」で追悼慰霊式を営み、長谷川一明社長は「命の大切さを心に刻み、安全は経営の根幹との思いで、将来にわたり一人一人がたゆまぬ努力を続けていく」と決意を述べた。 事故発生時刻の午前9時18分に合わせJR西の役員らが黙とう。慰霊式には遺族や負傷者らが参列し、犠牲者を悼んだ。 事故現場へ足を運ぶのがつらい遺族らのために、尼崎市に生中継会場も用意された。 事故への責任を問われ、業務上過失致死傷罪で起訴された歴代4社長はいずれも無罪が確定。刑法では同罪などに組織を処罰する仕組みがなく、遺族らは法人と個人をともに処罰する両罰規定を導入した特別法の制定を求めている。 JR西は大阪府吹田市の同社研修センター敷地内に事故車両を保存する新施設を建設中で、完成は25年12月ごろと見込んでいる。