【大阪杯】「マイルで勝ち鞍がある牝馬」は複勝率62.5% データで導く穴馬候補3頭
「前哨戦で負けた実力馬」の反撃に警戒 ルージュエヴァイユ
2頭目にはルージュエヴァイユを選ぶ。昨秋は府中牝馬Sとエリザベス女王杯で連続2着。休養明けの京都記念2番人気8着から巻き返しを期す。 かつて「天皇賞(春)に向けた始動戦」だったこのレースは、GⅠ昇格に伴って「前哨戦を叩いて獲りに来る大一番」に様変わり。その結果、暮れのGⅠから直行する馬より、2~3月のGⅡを使った組が好成績を残すようになってきた。 警戒すべきは「前哨戦で負けた実力馬」だ。先ほど少し触れたアルアイン(前走金鯱賞5着)やダノンザキッド(前走中山記念11着)あたりもこのパターンだった。「前走GⅡで3番人気以内に推されて5着以下」の馬は【1-2-1-9】複勝率30.8%。このうち過去にJRAのGⅠで連対したことがあれば【1-2-1-4】複勝率50.0%、単回収率277%、複回収率193%となる。調整途上のレースで大きく負けたからといって、本来の能力を忘れてはならない。 ルージュエヴァイユがちょうどここに合致する。もともと3勝クラスを上がり32.9秒で勝ち、府中牝馬Sでも同32.7秒をマークするなど軽い芝で良さが出るタイプ。重馬場の愛知杯で12着大敗の過去もあり、京都記念も荒れた馬場が合わなかっただけと片付けてよかろう。週末の馬場コンディションにもよるが、軽視禁物の1頭だ。
「サンデーレーシングの関西馬」は休み明けでも問題なし スタニングローズ
最後は5歳牝馬スタニングローズを取り上げる。3歳時にオークスと秋華賞でスターズオンアース、ナミュールとしのぎを削った実力馬だ。各所予想オッズでの低評価は、やはり約11か月ぶりの実戦となる点が嫌われているのだろう。ただ、そこは天下のノーザンファームしがらき調整。さほど敬遠する必要もなさそうだが、いかがだろうか。 外厩については公式なデータがないので、他の情報から類推するしかない。今回は「サンデーレーシング所有の関西馬」というくくりでデータを調べてみた。 過去10年のJRA重賞において「サンデーレーシングの関西馬」が中20週以上空けて出走したケースは【6-4-5-21】複勝率41.7%、単回収率203%、複回収率119%。なかでも芝1800~2400m戦なら【5-3-3-9】複勝率55.0%、単回収率261%、複回収率159%と好走率も馬券妙味もバツグンだ。ちなみに中19週以内の出走なら【60-62-53-393】複勝率30.8%、単回収率73%、複回収率76%。これと比べても妙味があるのは出走間隔が空いている方だ。少なくとも、減点する必要はどこにもない。 スタニングローズは同舞台で秋華賞を勝ったあと3連敗中。ただしそれぞれ、重馬場、開幕週で外々を回って0.2秒差、適性外のヴィクトリアマイル、と敗因は明確であった。休み明けの不安だけで評価を落とすなら、前記のデータを信じて攻めるのも一考だ。 <ライタープロフィール> 鈴木ユウヤ 東京大学卒業後、編集者を経てライターとして独立。中央競馬と南関東競馬をとことん楽しむために日夜研究し、X(Twitter)やブログで発信している。好きな馬はショウナンマイティとヒガシウィルウィン。
鈴木ユウヤ