「いまのJ担記者にうまみは全くありません」 “旧ジャニーズ事務所”と“担当記者”の関係は「衝撃の会見」から1年でどう変わったか
表舞台から姿を消した大物
J担記者にとって現場での変化といえば、当時の副社長で旧ジャニーズの黎明(れいめい)期から半世紀にわたって広報担当をほぼ一人で担っていたS氏の退任だったという。 「S氏はまさに“スーパー広報”と言える活躍でした。旧ジャニーズ時代は週刊誌、女性誌、夕刊紙がスキャンダルや事務所に関するネタを書いていました。それに対抗するため、S氏は90年代に入ると各スポーツ紙のJ担記者の囲い込みに成功しました。たとえば 、ある週刊誌でタレントのスキャンダルが出た場合、スポーツ各紙に後追い取材をして欲しくないと判断すると、『スルーでお願い』と電話口でささやく。民放各局のワイドショーのデスクたちにも同じようにしていました。逆に好都合な記事の場合は、積極的に後追い報道を推奨することもありました」(スポーツ紙元芸能担当記者) その一方で、対応の必要に迫られる案件……たとえば、16年の正月明けに勃発したSMAPの解散・分裂騒動などの際は、徹底的にコントロール。ジャニー氏や、姉の故メリー喜多川氏に関わる記事は書かせないなど、情報統制が徹底していたという。 「定期的にJ担を集めた食事会を開くのですが、そこではジャニー氏に加え、東山やTOKIOの松岡昌宏(47)が同席したこともあったそうです。タレントの結婚、グループからの脱退、新グループのCDデビューといった重要な情報は、J担の記者を集めた“大本営発表”でデカデカと紙面を飾らせていました。その見返りなのか、記者たちは、高級家電製品をもらったり、誕生日には自宅に胡蝶蘭が届けられたりしました。それらをすべてS氏がやっていたので、退任後の今は何もなくなったそうです」(同) S氏が一番恐れていたのがメリー氏だったという。ジャニー氏やメリー氏ら、創業家一族の記事を目にすると、メリー氏は怒ってS氏にクレームを入れる。そのため、 「S氏は平穏に業務をこなすため、創業家一族の記事だけはなんとしても止めていたと言います」(同) S氏による統制がなくなってからの変化といえば、タレントたちの熱愛報道だ。ファンへの影響を考え、熱愛・結婚報道には細心の注意を払っていたが、それが取り払われたのである。まず、昨年末にはKing & Princeの高橋海人(25)と有村架純(31)の交際を「NEWSポストセブン」が報じ、おおみそかに「FRIDAYデジタル」が匿名で報じたのを発端に、KAT-TUN・亀梨和也(38)と、田中みな実(37)の熱愛を元旦の各スポーツ紙が報じた。 今年に入ってからも、1月には「ポストセブン」がSexy Zone(現・timelesz)の中島健人(30)と元E-girlsの鷲尾伶菜(30)、2月にはスポニチがHey! Say! JUMPの伊野尾慧(34)とタレントの雪平莉左(30)、3月にもスポニチがSexy Zone(同)の菊池風磨(29)と元乃木坂46の白石麻衣(32)の交際を報道。各タレントのファンを落胆させた。 熱愛だけでなく、結婚も相次いだ。1月はKinKi Kidsの堂本剛(45)がももいろクローバーZの百田夏菜子(30)と、KAT-TUNの中丸雄一(41)が元日本テレビの笹崎里菜アナ(32)と、3月にはいずれもNEWSの加藤シゲアキ(37)が一般女性と、小山慶一郎(40)がAAAの宇野実彩子(38)との結婚を発表している。今年上半期だけでも、大変な熱愛&結婚ラッシュとなったが、そんな中で耳目を集めるコメントを発表したのが、SixTONESのジェシー(28)だった。 7月に昨年公開の映画「リボルバー・リリー」で共演した綾瀬はるか(39)との熱愛を「ポストセブン」で報じられたが、《プライベートはお任せください! 仲良くさせていただいております。ズドン》とファン心理を逆なでしかねないコメントを発表したのだ。 「かつてなら、相当な裏取りをしてそれを当てる以外、事務所と密なJ担のいるスポーツ紙が2カ月連続で熱愛を報じるなどあり得ない話でした。結婚発表にしても、前なら情報が集中しないようにうまく調整していたはずですが、タレントたちにすれば、以前のようにコソコソする必要がなくなったということでしょう。今年4月からマネジメント権を委譲した、SMILE社では、大半の所属タレントはエージェント契約を結んでいます。専属契約が基本だった旧ジャニーズ時代とは違い、メディアから問い合わせがあると、タレント本人から来たコメントを、窓口としてメディアにリリースするだけ。だから、ジェシーのようなコメントも出てしまう。S氏がいたら、こんな騒動は起きていないでしょう」(民放テレビ関係者) さらに先月、「文春オンライン」で女子大生との“アパ不倫密会疑惑”を報じられ活動休止状態に追い込まれた中丸だが、 「S氏がいたら、被害を最小限に食い止め、出演番組で謝罪して活動を続けていたのではないでしょうか。取材の呼び込みやPRなどはSATARTO社の広報担当が各社のJ担と連絡を取り、以前と同じように行われているものの、S氏のような“汚れ仕事”までできる人材はいないのが現状です」(同)