なでしこJの18歳コンビ・谷川萌々子と古賀塔子がドイツとオランダの名門クラブへ。前例少ない10代での海外挑戦の背景とは?
昨年末、なでしこジャパンに初招集された18歳のMF谷川萌々子とDF古賀塔子が、今年1月上旬に海外挑戦のため海を渡った。谷川は、ドイツ女子1部のバイエルン・ミュンヘンから2.5年契約のオファーを受けて加入。1年目はスウェーデン1部のFCローゼンゴードへの期限付移籍が決まっている。一方、古賀塔子はオランダ1部のフェイエノールトに同じく2.5年契約で加入。異例となる10代での海外挑戦は、どのように実現したのだろうか。 (インタビュー・構成=松原渓[REAL SPORTS編集部]、写真=長田洋平/アフロスポーツ)
18歳での海外トップリーグへの挑戦は異例
なでしこジャパンで海外でプレーする選手は増えているが、10代の選手が海外の強豪クラブに移籍した前例はまだ少ない。だが、2022年のU-20ワールドカップでゴールデンボールを受賞した浜野まいか(当時18歳)が、同年にイングランド王者のチェルシーに加入。そして今年、同じく18歳でなでしこジャパン入りしている谷川萌々子と古賀塔子が新たに海外挑戦を決めた。 谷川は、両足から繰り出される長短のパスやドリブルでゲームを組み立て、得点力もある攻撃的ボランチ。古賀は、フィジカルの強さやスピードを活かした守備に特徴があり、「理想は(オランダ代表DFの)ファン・ダイク」と語る173cmの長身センターバックだ。 2人は国内外の複数クラブの練習参加を経て、谷川はドイツ女子1部のバイエルン・ミュンヘンからのオファーに応じた。かつて熊谷紗希や岩渕真奈(昨年引退)らもプレーした、ブンデスリーガ2連覇中のドイツ王者だ。1年目は、スウェーデン1部で過去最多の13回のリーグ優勝を誇るFCローゼンゴードでプレーすることが決まっている。 一方、古賀はオランダ女子1部のフェイエノールトに加入した。同クラブは創設4年目の若いチームだが、男子はエールディビジで最も成功を収めているクラブの一つであり、その傘下で着実に力をつけている。 前例が少ない10代での海外挑戦の経緯、U-20ワールドカップとパリ五輪を控えた今季の展望を2人に聞いた。