中日・福永裕基 長打力を武器に「当てに行くような打撃だけはしたくない」/秋の収穫
3年連続最下位に沈み、井上一樹新監督を迎えてスタートした新生竜。沖縄の秋季キャンプでは、来季の中軸候補・福永裕基がシート打撃で2打席連続で本塁打を放った。 【選手データ】福永裕基 プロフィール・通算成績 勢いのいい打球が左翼へ、そして右翼へと飛ぶ。1本目はカウント2-0から梅津晃大が投じた真ん中低めをとらえての左越え。「今季の終盤から引っ張っても打球が上がるようになった」と手応えを語った。 一発では終わらない。続く打席では梅野雄吾が投じた初球の内寄り高めのストレートをうまくさばいて、今度は右翼フェンス奥の芝生へと運ぶ。「風ですよ」と謙遜してみせた。 井上監督も納得顔を浮かべる。「体を追い込んだ状態でもあの打撃ができるのが福永の良さ。競争とは言うけど、彼はやってもらわないと困る。長打力を考えると、スタメンから外しづらい選手」とコメントした。 秋季キャンプから二塁に再挑戦させている。一、三、二塁と起用の幅を広げることが、打線の幅に直結する。 来季は勝負の3年目。規定打席に到達したことがないから、いまだ未知数。今季は111試合出場で402打席と、もう少しだった。6本塁打、32打点、打率.306。一定の爪痕を残して来季へ突き進む。 「当てに行くような打撃だけはしたくありません」と語る。来季は29歳と時間はない。どこでも守って、どの打順にも顔を出すユーティリティープレーヤーとして、井上竜の勝利に欠かせないピースになりたい。 写真=BBM
週刊ベースボール