シェフラー逮捕、シャウフェレ初メジャー制覇…話題豊富の全米プロ振り返り
デシャンボーの猛追を振り切り完全優勝
シャウフェレは今回の全米プロでは、初日にいきなり「62」と大会最少ストロークを更新してトップに立った。 2日目以降も危なげのないプレーを展開し、3日目が終了した時点でコリン・モリカワと並び首位タイとなった。 最終日は、モリカワや3位だったサヒス・ティーガラらがスコアを落とすなか、2打差で4位だったブライソン・デシャンボーが猛追。 最終18番ホールで追いつかれ、最後は約2mのバーディーパットを決めれば勝利というプレッシャーのかかる状況で、見事にカップに沈めてメジャー初優勝を果たした。 終わってみれば、最終日も7バーディー1ボギーの6アンダーで、通算21アンダーは大会記録。非の打ち所がない完全優勝だった。 最終日は見事なプレーだったが、最後のバーディーパットは相当緊張したようだ。特に後半上り調子だったデシャンボーと1対1のプレーオフになれば、勢いに飲まれていた可能性もある。 「タフな戦いになるから、デシャンボーのプレーオフにはしたくなかった。このチャンスをつかみ取れと自分に言い聞かせていた」と本人も最後の場面を振り返っていた。 シャウフェレが初メジャータイトルのかかった、入れごろ外しごろの距離のパットを決め切るシーンは鳥肌もの。 デシャンボーの猛烈な追い上げと、シャウフェレの追撃をかわす落ち着いたプレーは、メジャーにふさわしい熱戦だった。
右手の使い過ぎを抑えるクロスハンドグリップ
最終18番ホールで優勝のかかった約2mのパットをねじ込んだシャウフェレのパッティンググリップは、左右の手を逆に握るクロスハンドグリップだ。 逆手でグリップすることで右手の使い過ぎを抑える効果がある。 クロスハンドグリップのポイントは、両脇を締め、パターと左腕が一体化するように握ることだ。 これによって、上半身と腕の動きを連動させやすくなるため、体の回転でストロークしやすくなる。器用な右手は軽く添える程度に握り、ストローク中に意識的に使わないようにするといいだろう。 また、左手を下にして構えると、左肩が下がり肩を水平に保ちやすいため、フォロースルーを低く出しやすくなる。パッティングで悩んでいる人はクロスハンドグリップを試してみてほしい。
TEXT=吉田洋一郎