債券は上昇か、インフレ懸念和らぎ米債高-日銀正副総裁発言には警戒
(ブルームバーグ): 27日の債券相場は上昇が予想されている。米国の経済統計でインフレに対する過度な警戒感が和らぎ、長期金利が低下した流れを引き継ぐ。一方、日本銀行の植田和男総裁や内田真一副総裁の発言内容に対する警戒が相場の重しになりそうだ。
岡三証券の鈴木誠シニア債券ストラテジストは、前週末の米長期金利が少し低下したので国内債券相場はややしっかりの展開とみる。「日銀政策修正観測があるので上値は重いものの、ばたばた売られる展開も想定しにくい」と述べた。
同氏の新発10年物国債利回りの予想レンジは0.99~1.02%(24日は1.005%で終了)、先物中心限月6月物は143円50銭~143円80銭(同143円59銭)。
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先物夜間取引で6月物は24日の日中取引終値比7銭高の143円66銭で終えた。
日銀の植田総裁は27日午前に国際コンファランスで開会のあいさつをする。内田副総裁は同コンファランスで講演を行う。追加利上げや国債買い入れの運営方針について言及するかどうかが注目されている。
岡三証の鈴木氏は「内田副総裁の発言内容を気にする向きがいるものの、日銀金融研究所主催のコンファランスで目先の政策の話に入ることはないとみており、相場への影響は大きくならないのではないか」との見方を示した。
植田総裁は25日、イタリア・ストレーザで開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議の終了後の記者会見で、長期金利が12年ぶりの1%台に上昇していることに関し、長期金利は金融市場で形成されることが基本になると語った。
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Hidenori Yamanaka