車いすユーザーがネイルサロンで入店拒否…悔しさから一念発起 “ごみ”を輝かせる異色のネイリストへ
2030年までに、持続可能でよりよい世界を目指す国際目標「SDGs」。 テレ朝POST では、さまざまな課題に取り組み、暮らしを未来へ紡ぐ“はじめの一歩”を実践する人たちを紹介している。 今回取り上げるのは、“海ごみネイルアーティスト”の有本奈緒美さん。 有本さん:「こちらのネイルチップ、海で拾い集めた海洋プラスチックからできているんです。ごみと思えないほどキレイですよね」 集めた海洋プラスチックを洗浄し、美しいデザインに加工。自分の爪に合わせ、オーダーメイドで作られたこちらのネイルチップは、付けはずしができ、半永久的に使うことができる。
有本さんがこのネイルチップを作り始めたのは、自身の“困りごと”がきっかけだった。 2015年に難病で歩行困難になり、車いす生活を送っている影響で、働く先を失い、気分転換で訪れたネイルサロンでは入店拒否に。このときの悔しさから、車いすで来られるバリアフリーのネイルサロンを設立する。 やがて「足が不自由でも社会に貢献したい」という気持ちが芽生え、出合ったのが海辺のごみを集める“ビーチクリーン”。そこで、想像以上の海洋プラスチックごみの量に驚いた。
有本さん:「海洋プラスチックごみを拾いに行ったときに、地球上で起こっている環境問題を目の当たりにし、危機的状況だと体感しました。(拾った海洋プラスチックごみを)捨ててしまうと、また海に戻ってしまうのではないかと思いました」 こうして海洋プラスチックごみを、華やかなネイルチップパーツとしてよみがえらせる取り組みをはじめた。売り上げの一部はビーチクリーン団体に寄付されるので、利用者はオシャレを楽しみながら社会貢献にも参加できる。 有本さん:「環境問題は世界的な課題なので、海外の方にもこの取り組みを通じていろいろなことを伝えていきたいと思っています。(ネイルチップの)作り手を障害のある方に従事いただいて(雇用の機会を増やすことで)、きちんと自立した生活が送れる社会になればいいなと思っています」