映画『九十歳。何がめでたい』に関する数々の“奇跡” 主演の草笛光子(90)について監督は「肌修正もなし」と力説
「まだまだお若い」と草笛サンに言えるのは佐藤愛子先生だけ
そして、さらなる奇跡は、愛子先生から草笛サンへのサプライズのお手紙。「常人にはとても理解できない佐藤愛子という人間を演じた草笛さんには、つくづく私のおかしさが身にしみて困惑されることも多かったのでは」と気遣い、さらに「肺炎になられたと聞いたときには驚きましたが、たちまち回復されて、さすが90才、まだまだお若いとホッと胸をなでおろしました」と。「まだまだお若い」とは100才の愛子先生にしかおっしゃれないことですよね。 先生は近況を「のんびりというのがどういう状態なのかわからなくなってきました。のんびりしているのではなく、ぼんやりしているだけなのか」「いまから思えば、あの頃はすごく元気だったんですね。90才の草笛さんののんびりと、100才の佐藤愛子ののんびりは違うと思います。今後お目にかかるときに、お互いののんびりについて話し合いましょう。その日を楽しみにしています。お元気で」と。 これは放送作家の悪癖ですが、そんなお二人の様子をぜひ、カメラに収めさせていただきたいと心から思ってしまいました。 カメラといえば、「祝公開前日祭」を終えた草笛サンは控室に戻られ、おひとりで地方局向けに何本もコメント録りをされたうえ、終了後はシャーベットカラーのパンツスーツに着替え、キャストやスタッフの皆さんが待つ打ち上げ会場へ。スマホのカメラに“指ハート”サインで収まる草笛サンなのでした。 昨年来、芸能界でも私の周囲でも50代、60代で急逝されるかたがあまりにも多かったため、「人生100年時代」に疑いを持ち始めていましたが、草笛サンと愛子先生のおかげで、90才や100才を再びリアルに想像できるようになりました。 最後に個人的な“奇跡”を1つ。実は愛子先生は歯科医だった私の父の患者さんでいらしたそうなのです。「『女性セブン』をパラパラとめくっていたとき、山田サンのページを見て、そうおっしゃっていた」(橘高さん)!!! 先生が私なんぞのことを認識してくださっていたことに加え、先生の頭の中で、父と私がつながっていたということにも心底驚かされました。 前田監督いわく、高齢者割引ゆえ1人2回見なければ興行成績につながらないという映画『九十歳。何がめでたい』。ぜひ、ご家族、ご親戚と共に大きなスクリーンでご覧ください! 構成/山田美保子 『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)などを手がける放送作家。コメンテーターとして『ドデスカ!+』(メ~テレ)、『1周回って知らない話』(日本テレビ系)、『サンデージャポン』(TBS系)に出演中。CM各賞の審査員も務める。 ※女性セブン2024年7月11・18日号