なぜ愛子さまは「天皇」になれないのか…9割の国民が望んでも難しい「根本的な理由」
岸田首相、起死回生の一手
このまま世論と政治がかけ離れた状況が続けば、政権への支持率もますます下がっていくだろう。しかし岸田政権が土壇場まで追い込まれたときこそ、議論が大きく進むかもしれない。 「ときに大胆な奇策に打って出る岸田首相であれば、何をやるかわかりません。表向きには明言せずとも支持率回復を狙って、国民から支持を得やすい愛子天皇の議論を進める可能性もあります。 仮に『即位されるのは愛子さま1代限りで、そのお子さま、すなわち女系天皇は認めない』と線引きすれば、自民党内の保守派も納得するのではないでしょうか」(前出の河西氏) 愛子さまが天皇に即位され、皇位継承順位の第1位は悠仁さま、その後は悠仁さまのお子さまたちが継承していく――このようなシナリオを導く皇室典範の特例法を成立させるのが、愛子天皇を実現させるもっとも現実的な方法だ。 ただし特例法で愛子さまが即位されたとしても、問題を先送りしたに過ぎない。悠仁さまに男子が産まれなければ、男系の皇統は途絶えてしまう。 「自民党は旧宮家の男系男性を皇族の養子にし、その子どもに皇位を継がせるという案を打ち出しています。しかし自ら進んで自由な暮らしを捨てて、窮屈な皇室に入る一般人が実在するとは思えない。 もうその場しのぎの議論はやめて、ヨーロッパ各国の王室を参考にしつつ女系や長子継承も含めて真正面から議論すべきでしょう。そうしなければ皇室への支持が揺らぎ、天皇制そのものに危機が訪れてもおかしくありません」(河西氏) 日本という国の根幹をどうすべきか、国民ひとりひとりが考えるべき岐路に来ている。 「週刊現代」2024年6月29日・7月6日号より さらに関連記事『「愛子天皇」を9割の国民が熱望…そのウラで多くの人が犯している「勘違い」』では、「愛子天皇」が実現するまでの具体的な手続きについて、解説している。
週刊現代(講談社)