元ボンドガール、次期007の女性起用に異議 「伝統を守るべき」
世界的人気を誇る「007」シリーズの新作をめぐり、新たな議論が巻き起こっている。シリーズで"ボンドガール"を演じたジェマ・アータートンが、主人公ジェームズ・ボンドの女性化について持論を展開した。 「それは、メリー・ポピンズを男性が演じるようなもの」 英タイムズのインタビューで、アータートンは率直な見解を示した。「確かに話題性はあるでしょう。でも観客は受け入れがたいはず。時には伝統を守ることも大切なのです」 アータートンは2009年の「007 慰めの報酬」でストロベリー・フィールズを演じ、ダニエル・クレイグ扮するボンドと共演。「わずか5分の出演なのに、今でもこの役について聞かれます。不思議な気持ちですが、後悔はありません」と振り返る。 製作元のイオン・プロダクションズは、次回作「ボンド26」の準備を本格化。バーバラ・ブロッコリ、マイケル・G・ウィルソンの両プロデューサーは、30代の新星を起用し、最低10年の長期プロジェクトとして、フランチャイズの刷新を構想しているといわれる。 近年、ハリウッドでは多様性への意識が高まり、ジェームズ・ボンドの女性化を求める声も出ていた。1962年の第1作から60年以上の歴史を持つこのシリーズの将来像について、元出演者からの発言は、伝統と革新の狭間でゆれる映画界の縮図ともいえそうだ。