ふがいなく敗れたFC東京戦で稲垣祥が語った名古屋の課題。熱い言葉の数々に奮い立つヒントが隠されている
試合終盤に自身はゴールを奪うも
[J1第30節]FC東京 4-1 名古屋/9月14日/国立競技場 6日前の9月8日にルヴァンカップ・準々決勝第2戦、アウェーでの広島戦に臨んだ名古屋は120分を戦い抜き、PK戦の末にベスト4進出を決めていた。 【動画】FC東京×名古屋ハイライト もっとも中5日で挑んだアウェーのFC東京戦は、ルヴァンカップの死闘のダメージもあったのだろう。序盤から主導権を握られて今季ワーストの4失点。終盤に稲垣祥のゴールで一矢報いるも完敗を喫した。 試合後の会見では長谷川健太監督は「コンディション調整しましたが、上手くゲームに入らすことができなかった。そういう点では私の責任」と語りつつ、「中5日という期間が空いたわけですから、しんどかったというのは言い訳にはならない。それを言い訳にしているようではまだまだ強いチームにはなれない。多くのサポーターがきているなかで、なさけない試合になってしまった」と厳しい言葉もチームに投げかけた。 最後まで走り抜き、闘う姿勢を見せ続け、ゴールも奪った稲垣もリーダー格である「自分の責任でもある」と自らにベクトルを向けながら、悔しそうに振り返る。 「うちのチームの悪いところが出てしまった。もちろん今週の練習から良くなかったし、前回の勝ちっていうのを悪い意味で引きずっているようなところも少なからずあったなか、ここを打ち破って掻い潜ってもう一個パワーを出していくとか、その結集がチームとして力になっていくみたいなところ、踏ん張る力などはやっぱり足りないと感じました。 細かいところを言えばいろいろありますが、その前に一人ひとりがもう少しこの状況のなかで踏ん張って粘って、表現できるものがあったんじゃないかなと。そういう流れとか重さみたいなものを撥ね返せない、そのパワーがないというのが今のグランパスの実力、力かなと改めて思います。 失点もミス絡みの形になってしまった。 「ミスをする前にもっと準備をできたんじゃないかとか、動き出し早く予測できたんじゃないかとか、詰められるところはいくらでもあったはずなんですが、もちろん僕も含めてですが、そういうところの流れのままいっちゃうとか、そこが個人の力なんですがもっと高めていかないといけないかなと。 最後まで応援してくれる方々がいるので、しっかり戦い切る姿勢はもっと全員が持たないといけないと思います」 一方で「ポイント、ポイントで修正がきいていたところはポジティブな部分かなと思います」と語りつつ、「切り替えるのは簡単ではないと分かっているので、自分を含めて覚悟を持って、ここから次の試合まで向き合っていかなくてはいけないと思います」と口にする。 チームとしては厳しい結果になってしまったが、こうして周囲を鼓舞できる稲垣のような選手がいるのは、非常に大きい。彼を中心にチームは力強くファイティングポーズを取れるか。中3日で迎える、次のホームでの新潟戦の戦い方は重要だ。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)
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