マイナス要素も理解して決断を 移住前に厳冬期を体験するツアー開催へ
長野県佐久市は2月3日、首都圏など市外からの移住希望者を対象に、冬の市内で古民家を見学する日帰りのバスツアーを開く。冬の厳しさを体感してもらう狙いで、横浜市から移住して寒さを肌身に感じた経験がある佐久市の任期付き職員浜二郎さん(69)が企画した。「寒さというマイナス要素を克服しないと佐久には移住できない」と浜さん。厳冬期の暮らしも含めた状況を理解して移住を決めてほしい―との思いを込めている。 【画像】春になっても雪が残る佐久地域、浅間山
市移住交流相談員を務める浜さんは、会社退職後の2014年に同市に移住。比較的新しい家に住んだが、断熱が不十分で別の家に引っ越した経験を持つ。このところ、市には所有者が処分に頭を悩ませる古民家についての相談が複数寄せられているが、古い建物は「味」があっても寒さが課題。必要な部屋だけをリフォームする手法や、春~秋だけ滞在するといったことも提案しようと、あえて厳冬期のツアーを企画した。
午前9時過ぎにJR佐久平駅をバスで出発し、所有者が売却を希望する4軒の古民家を見学する。価格は500万~800万円ほどで、築100年以上の家もある。市や県宅建協会佐久支部の担当者が同行する。
冬のツアーは22年11月に開催し2回目。初回は首都圏のシニア層を中心に約20人が参加した。紹介した古民家の購入には結びつかなかったが、佐久の風土を知って移住を決断する人もいたという。
定員20人で無料。今月23日までに申し込む。問い合わせは市移住交流推進課(電話0267・62・4139)へ。