北村匠海が選んだ、“アンチじゃない”ヒーロー「僕の人生に影響を与えているから」
自分の成長は、自分がいちばんわからない
北村と長谷川の共演は、映画『セーラー服と機関銃-卒業-』('16年)以来8年ぶり。だが、この作品以上に密に接したのは、 「『鈴木先生』(ドラマ'11年、映画'13年)ですね。ドラマが中1から中2、映画が中3。本当に濃かった。中2のときなんて、リアルで通う中学校よりも『鈴木先生』での学校生活のほうがメインでしたから」 後にも先にもクランクアップで泣いたのはこの作品だけ、と感慨深げ。 「『鈴木先生』の教えって、当時としてはすごく先進的で。そんな話をこの間、長谷川さんともしました。そういえば、長谷川さん演じる鈴木先生が、あれだけ性について説いていたのにデキ婚して。あの作品でも法廷シーンというか、“鈴木裁判”はやっていましたね(笑)」 当時、生徒役の北村にとって、長谷川は神格化された存在だったという。自身の成長を今作で見せたい思いは? 「そうですね。自分の成長って自分がいちばんよくわからないから。ただ30歳に近づきつつある今、現場で長谷川さんが頼りにしてくれる瞬間があった気がして。やっぱりうれしさはあります。 いい意味で、神格化された長谷川さんから仲間というか、先輩になったような気はします。役者として、同じ目線で現場をより良くしたいと動く。そんな意識の変化はあると思います」
アンチではないヒーロー
北村にとって、アンチではない純粋なヒーローを尋ねると、 「いっぱいいるんですよね。やっぱり、両親かなぁ? 僕の趣味を含めて、人生に影響を与えているから。 僕は1歳では聴かないようなアーティストさんの歌を(1歳から)聴かされていて。3歳のときはその歌しか口ずさまなかったらしいです。 そして、自分たちが若かったころに見たフランス映画もすすめてくれますし。内容というより、当時カッコいいとされていた作品を。親と映画の話ができるって、役者としてはすごくうれしくて。 感性の部分にまで、自分に影響を与えてくれた両親はヒーローだなと思います」 日曜劇場『アンチヒーロー』 毎週日曜夜9時~(TBS系)放送中