昭和・平成・令和…三代目が仮面ライダー脚本デビュー! レジェンド・井上家の「特撮三世代大河物語」
華麗なる「特撮脚本家一族」
1月21日、特撮ファンの間で非常に胸アツな注目のトピックがあった。 それは、現在放送中の『仮面ライダーガッチャード』(テレビ朝日系・毎週日曜午前9時~)第19話「りんねの夜明け!変身・マジェード!」の脚本を井上亜樹子さんが担当したこと。 【画像】意外!? 清楚な印象の“三代目”井上亜樹子さん… というのも、井上亜樹子さんの祖父は「仮面ライダー」脚本に多数参加してきた伊上勝さん、父は『仮面ライダー555(ファイズ)』や『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』など数々の作品を手掛けてきた脚本家で、特撮ファンの間では“井上大先生”と呼ばれる井上敏樹さんで、昭和・平成・令和と三代にわたって携わる“華麗なる特撮脚本家一族”なのだ。 そこで、注目の“三代目”井上亜樹子さん(以下 亜樹子さん)にインタビュー。仮面ライダーシリーズ脚本デビューの思いや、特撮との関わり、井上家のことなど、いろいろ聞いてみた。 「オファーをいただいたときは、おこがましい話ですが、『ついに来たか』と思いましたね。特撮シリーズの脚本を書くのは、いつの間にか自分の人生の中でも成し遂げなければスッキリしないことリストの中に入っていましたから、すごく気合が入りました」(井上亜樹子さん・以下同) 亜樹子さんは、鐘弘亜樹名義で『小説 仮面ライダーディケイド 門矢士の世界~レンズの中の箱庭~』(講談社キャラクター文庫/’13年)を手掛けて以降、『魔法つかいプリキュア!』(’16年)、『HUGっと!プリキュア』(’18年)や『ゲゲゲの鬼太郎』(第6作/’18年~’20年)などをはじめとした多数のアニメ脚本や小説を手掛けてきた。実はこれまでも井上敏樹さんの娘であることを明かしたことはあったが、「アニメ界隈ではそれほど話題にならなかったんですよ」と笑う。 ◆SNSでは「さすが井上家」「井上節を感じる」といった声が… 仮面ライダーシリーズデビュー作となった今回、『仮面ライダーガッチャード』第19話は、女性ライダーとなるりんね(松本麗世)が、裏切り者と言われてきた父・風雅(石丸幹二)との約束と、自身が守ってきた掟の間で揺れ、葛藤の末、変身を遂げる展開が描かれた。 「食事シーンの多さ」や「屋台」など、父・敏樹さんの作品を連想させるシーンが散りばめられていた上、これまでの放送回で登場した要素を拾い上げ、盛りだくさんの情報を盛り込み、1話の中で成長まで描いてみせる情報整理能力や構成力には、SNSで「さすが井上家」「井上節を感じる」といった声が多数あがっていたが…… 「19話は、縦軸として、りんねが変身する話ということは最初から決めていました。その上で、18話までのシナリオをじっくり読ませていただいて、それぞれのキャラクター性を理解するところから始めました。 途中から参加する脚本家のセリフって、どうしてもそれまでとイメージがどこか変わってしまうことがあると思うんですけど、それは私が一視聴者の側だと、すごく困惑してしまうところなので、これまでキャラクターたちがどんな気持ちの流れでやってきたかは大切にしたつもりです」