自衛隊員、予備自衛官1日の食事代は大阪の中学生給食以下?国を護るにはあまりに「ひもじい」食事写真
食費は1日3食で978円……
今年3月4日に元陸上自衛隊幹部学校主任教官の佐藤正久参議院議員(63)が参議院予算委員会で自衛隊員の食事について声をあげた。 大阪市の学校給食より「ひもじい」自衛官の昼食 「(自衛隊員の食費は)1日3食で978円。この食材高で1日1000円もいっていません。民間企業で全寮制で1日1000円で募集して人が集まると思いますか。(中略)食堂でパンと納豆、被害総額175円を複数回とって、停職10日の処分。配食量が少なかったため、と述べているとのこと。総理、肉体労働の厳しい訓練を行う隊員にもう少し、私は食事を食べさせてあげたいと思いますよ」 佐藤議員が語った例は、’21年10月、航空自衛隊那覇基地の施設内の食堂でのこと。パンと納豆を既定量以上、複数回食べた隊員がいた。「被害総額175円」とは、パンと納豆を1回の食事の中で本来食べていい分量を超えて余分に食べた分の総額。停職処分を受けた3等空佐(40代男性)は余分に食べた理由として、「配食量が少なかった」と訴えていたという。わずか175円分、食べてしまったことが処分に発展したことで、これまで「ひもじい」と感じてきた自衛隊員は、これからも少ない食事で我慢を強いられることになっている。 佐藤議員によると、自衛隊員の1日の食事代が978円に増額されたのは「水産物消費」のためだという。「水産物消費」とは、’23年9月1日の「我が国の水産物の消費拡大に向けた防衛省・自衛隊における取組について」という通達のこと。この時期、中国が東京電力福島第1原発のALPS処理水の海洋放出による食品への放射線汚染リスクを防ぐことを理由に日本の水産物輸入を停止したことを受け、自衛隊では国産海産物を積極的に消費するよう求めた文書だ。 ちなみにこの自衛隊の食費は未成年者の食費程度ではないかと考え、中学生を調べてみた。大阪市内の中学校の給食の日額が335円。給食は昼食だけなので、単純に3倍すると1005円となり、自衛隊とほぼ同等の値段になる。中学生の給食並みの栄養価で自衛隊員の身体能力を向上させることができるのか、疑問だ。 季節ごとに定期的に訓練の招集がある予備自衛官・即応予備自衛官たち(以下、予備自衛官と省略)の食事内容はさらにひもじい。予備自衛官は、ふだんは会社員や自営業、学生などの本業を持ちながら、有事や災害などの際に招集を受けて自衛官となって活動する非常勤の特別職国家公務員。本業の仕事がない休日に、訓練を自ら受けようという人たちの集まりだが、「国は彼らに対する敬意の欠片すらないのか」と憤りを感じてしまうような食事内容なのだ。 自衛隊の食堂が休養日の土日に集中するため、朝は調理された料理が食べられず、弁当やパン等の粗食になりがちだ。ある予備自衛官Aさんは、朝食はおにぎり2個だけ、Bさんもある日の昼飯でオニギリ2個とウィンナー、コロッケと思われるもののみで凌ぐことを求められたという。自衛隊では以下の場合に食事が弁当やパンになる。 「土日祝日の朝」「食堂整備日(月に一日)」 「駐屯地開放日等で弁当でないと都合が悪い日」 「食中毒発生時(食堂閉鎖時)」 予備自衛官の1回の訓練期間は5日ほどと短く土日祝日が多いため、パンや弁当の確率がかなり上がる。粗末な食事でも我慢しようと思えばできるのだが、訓練に見合った十分な食事内容とはとても言えないだろう。 予備自衛官のAさんは「おかずもないが、とうとうお箸すらなくなった!」と落胆した。この写真を見た人の中には、「手を洗って食べればいいだけだ」「我慢できるだろう」と言う方々もいるのだろう。しかし彼らが自分の仕事を休んでまで国を護るための訓練に出頭している事実を忘れてはならないのではないか。