「仮想通貨」への投資は、投資経験が長いほど低い!?「仮想通貨」や「不動産投資」に興味を示す投資初心者が陥りやすい“罠”を解説
2024年から新NISAがスタートし、NISA口座開設数は2024年3月末から6月末の3ヶ月間で約100万口座も増え、投資を始めている人が増えています。「投資」と言えば、株式投資や投資信託などが一般的ですが、近年ではポイント投資、外貨預金、FX、仮想通貨、不動産投資などに興味を持つ人も多いようです。 本記事では、投資経験が少ない人の投資行動と投資歴5年以上の人の投資行動の違いから、投資初心者が陥りやすいわなについて解説します。 ▼定年退職時に、「1000万円」以上の貯蓄がある割合は日本でどれくらい?
投資経験が数年の40代が仮想通貨に投資している
ニッセイ基礎研究所が投資経験者に行った調査によると、現在利用している投資先として株式65.1%、株式投信・ETF34.8%に対して、仮想通貨は10.2%、不動産投資は3.4%となっています。属性別に見ると、仮想通貨は20~30代よりも40代が多く、さらに仮想通貨に投資している人の投資経験は3~5年未満が21.3%と最も高くなっています。
投資経験が5年未満と5年以上で投資行動の違い
同レポートによると、投資経験が3~5年未満で仮想通貨に投資している人は21.3%となっていますが、投資歴5年以上で仮想通貨に投資している人は8.6%と全体平均よりも少ない割合となっています。 また、今後利用してみたい投資先について、仮想通貨と回答した人は投資歴3~5年未満が最も多く、不動産投資と回答した人は投資歴1年未満や2~3年未満の人が多くなっています。一方で、投資歴5年以上の人は仮想通貨、不動産投資とも全体平均よりも低い割合となっています。 投資歴5年以上の人は、株式、株式投信・ETFの割合が高く、王道の投資先を選択する人が多くなっています。また、不動産ではなく、REIT(不動産投資信託)についても、ほかの経験者層よりも今後利用してみたい投資先として考えている人の割合が高くなっています。
投資経験が少ない人が陥りやすいわなとは?
SNSやネット上では、「仮想通貨で億り人」や「FIRE(経済的自立+早期退職)する方法」などの情報があふれています。 今や個人投資家の情報源はYouTubeやSNSが主流となりつつありますので、このような情報に影響された投資初心者が、ネットやSNSでおすすめされた金融商品を買ったり、過剰なリスクを取るような投資行動をしてしまったりする可能性は十分あり得ます。 また、2023年に一般社団法人投資信託協会が実施した「投資に関するWeb調査」によると、株式や投資信託の期待するリターン金額は、現在投資している人よりも投資していない人のほうが多い傾向にあり、20代~40代は50代や60代に比べて投資リターンの期待額が多くなっています。 筆者も経験がありますが、NISA制度などを活用し、インデックスファンドの積立投資から投資をスタートした人も、数年たてば投資を始めたころに期待したよりも資産が増えず、「もっと早くお金持ちになれる」投資先を探し始め、YouTubeやSNSを参考に仮想通貨や不動産、レバレッジ型の金融商品などに投資し始めるかもしれません。 リターンの期待額が高い人ほど、このような傾向に陥りやすいのではないでしょうか。