京友禅の手法を年賀状に生かす 京都府中部の住民ら、「巳」を優しい味わいで
京友禅の型紙をはがきに重ね、絵の具で色を付けると、来年の干支(えと)・巳(み)の絵柄が色鮮やかに浮かび上がった。 年の瀬が近づく7、8日にあった型染めの年賀状作り教室。京丹波町下山の住民組織「黒瀬きばってやろう会」が地元の京小紋型彫り職人・野村幸雄さん(69)を講師に迎え、毎年開く。今年は黒瀬ふれあいセンターに15人ほどが集まった。 野村さんは、ヘビや鏡餅、ナンテンなどを小刀や錐(きり)で彫った緻密な型紙を用意。参加者は型紙をはがきの上に載せ、好みの色をはけで塗った。何枚もの型紙で刷り重ね、複雑な絵柄が現れた。 塗る力の入れ具合で濃淡を表現でき、何枚も試して満足いく仕上がりを目指した。 毎年参加している女性(80)=同町井尻=は「筆描きとは違う、優しい味わいが生まれる」と話した。