70代でも”若手” 茶の摘み手確保へ 京都府宇治市が「バンク」開設
ブランド「宇治茶」の産地である京都府宇治市は、茶園の「摘み子」として働きたい希望者と人手が必要な茶農家を市が仲介する「お茶摘みバンク」を開設した。 宇治茶でも、摘み子が新芽を丁寧に摘み取った「手摘み」の茶は高級品に位置付けられる。一方、摘み子は70代でも“若手”と呼ばれるほど高齢化が進んでいる。5月上旬から約1カ月間限定の作業ということもあり、担い手の確保が難しかった。 市は茶農家からの要望を受け、摘み子の登録制度「お茶摘みバンク」を設置した。バンクに登録した希望者のうち、求人申し込みがあった茶園の地域や労働条件などに応じて、市が希望者の情報を提供。双方が合意すれば仲介成立となる。 合わせて、市は茶摘みを紹介する動画をインターネットで公開。5月には茶摘み体験会も予定する。 市は「機械を使わない手摘みが、宇治茶のブランドを支えている。摘み子の情報を地域で共有し、次のシーズンの手摘みにもつなげて産地を守りたい」(農林茶業課)としている。
日本農業新聞