老野祐平、ロサンゼルス五輪への第一歩に 81キロ級の偉大な先輩を追いかけて【選抜体重別柔道】
柔道の世界選手権(5月・アブダビ)の代表選考会を兼ねた全日本選抜体重別選手権は6、7日に福岡市の福岡国際センターで開催される。今夏のパリ五輪代表は不在ながら、2028年のロサンゼルス五輪代表を目指す若手、復権を狙うベテランが顔をそろえ、男女の計14階級で争う。男子81キロ級は老野(おいの)祐平(旭化成)=北九州市出身=が連覇を狙う。(山田孝人) ■全日本選抜体重別選手権の日程【一覧】 4年後を見据えて新たな決意を強く胸に刻む。老野は前回大会の81キロ級で初優勝。故郷の九州で連覇に挑み、その先に続く道をイメージする。「世界選手権に出て優勝したい。今はもう、勝ちたいしかない」と闘志をあらわにした。 昨年は杭州アジア大会で銅メダル、今年2月のグランドスラム・パリ大会も3回戦で敗退した。「勝ち切れていない。強豪と闘えたことは自信だが、今のままでは勝てない」。得意の内股と小外刈りに磨きをかけ、届かなかった頂点を狙う。 同級にはパリ五輪代表で長崎日大高の先輩でもある30歳の永瀬貴規(旭化成)=長崎市出身=が君臨する。「自分が国際大会で負けるたびに、永瀬さんはすごいなと思う」。世界の層も厚い81キロ級で東京五輪の金メダルを獲得した偉大な存在への思いは強い。 永瀬には、母校での稽古などで胸を借りたこともある。同じ階級で闘う以上、憧れだけが心を覆っているわけではない。目標とするロサンゼルス五輪の金メダルに向けては「超えていかないといけない」と言い切る。 入学時に創部1年目だった帝京平成大で、1年から主将を務めた。昨年は大学スポーツ協会が制定する文武両道の学生に贈られる大賞に輝いた。今春から、永瀬と同じ旭化成に入社した。まずは福岡で世界の切符をつかみ、第一人者の背中を追う。
西日本新聞社