2年連続未勝利も闘志は消えず……ハミルトンの”F1を続けるため”のモチベーション「表彰台の一番上に立って、チームの姿を見るのが夢」
ルイス・ハミルトンは、F1でチャンピオン争いに戻りたいという強い気持ちが、F1を続けていく上でのモチベーションになっていると語った。 【動画】日本人F1ドライバー角田裕毅から新年のご挨拶! 参戦4年目に向けて「トップドライバーとしての価値を証明したい」と意気込む ハミルトンは2021年のサウジアラビアGP以来、勝利から見放されている。デビュー1年目から毎年優勝してきたわけだが、2022年にそれが潰えたばかりか、2年も未勝利の期間が続いてしまった形だ。 2022年からはF1のテクニカルレギュレーションが大きく変更。これによりマシンが大きく変わり、グラウンドエフェクト効果に大きく頼る空力コンセプトとなった。メルセデスはこのレギュレーション変更に合わせたマシン開発に失敗。レッドブルやフェラーリばかりか、一時はアストンマーティンやマクラーレンの後塵をも拝する形となった。 ハミルトンは、レース後に表彰台で味わう”感情の洪水”への期待感が、より好成績を挙げたいと渇望する上での顕著な側面のひとつだと説明する。 F1においてハングリー精神を保つための要素について尋ねられたハミルトンは「表彰台の最も上に立って、チームの姿を見るのが夢なんだ」と語った。 「最も素晴らしいことのひとつは、後ろを振り返ると自分の国旗が掲げられ、そしてチームのみんなの姿を見られることだ」 「このチームで初めて勝った時(2013年のハンガリーGP)のことを覚えている。2015年のオーストリアでは、みんなが涙を流していたのを覚えている。その一員になれたことは、本当に素晴らしいことだった」 「その力は、前に進んでいく上での推進力の大きな部分を占めている。そしてチャンピオンシップに勝つというモチベーションも、推進力の大きな部分になっている。僕らが行なっているインパクトのある仕事をこのチームと共に構築し続けていく。そしてミッション44(ハミルトンが率いる慈善財団)として、チームと共に前に進んでいく」 「それをどこまでできるかは分からないけど、今はまさにそれを拡大しようとしているところだ。つまり、より多くの資金を調達する必要があるんだ」 メルセデスは、マシンの開発に失敗した2022年と2023年を受け、2024年に向けては全く新しいコンセプトを採用するとしている。それにより復活を目指しているのだ。 現在の状況は、メルセデスが2010年にワークスチームをスタートさせて以来直面した最大の課題とも言える。2013年からそのメルセデスの加入したハミルトンとしては、メルセデスをトップチームとして確固たるものとするために当時の自分が負った努力と同等の課題が待ち受けていると考えている。 「移籍してきた時は興奮した」 そうハミルトンは語った。 「当初は、厳しいモノになるだろうと予想していた。当時のメルセデスは、それほど成功を収めていなかったからね。そこには、純粋な興奮があった。僕はチームに加わったばかりで、みんなと共に革新に迫り、チームを構築していった。それは、それまでとは別の種類の興奮だったんだ」 「今では、僕らは何年も一緒に戦ったから、お互いのことをよく分かっている。ずっと素晴らしい関係を築いているんだ。だから全員がどう過ごしているかということを見るだけでも、外から見ても興味深いと思う」 「外から見ているだけの人は、チームのみんなが長い間家族から離れていることを知らないんだ。子供達と過ごす日々など、そういうのを犠牲にしていることを理解していないんだと思う」 「みんなのエネルギーレベルは、上がったり下がったりする。そして、穴があればそれを埋めようとするんだ。そしてその逆も同様なんだ。それがチームの仕事だ」
Jonathan Noble