中国の李強首相、豪州との関係改善をアピール-パンダ貸与を表明
(ブルームバーグ): 中国の李強首相はオーストラリア訪問を開始し、アジア太平洋地域における安全保障上の緊張が高まる中で両国の関係改善を示唆した。中国首相の豪州訪問は2017年以来初めて。
李首相は15日に南部アデレードに到着。16日朝にはアデレード動物園を訪れ、豪州で唯一のパンダのつがい「ワンワン」と「フーニー」について、この2頭は15年ぶりに中国に戻るが、代わりに新たなつがいを貸し出すと表明した。
午後には、南オーストラリアのワイナリーを訪問。中国は今年に入り豪州産ワインに対する懲罰関税を撤廃している。
李首相は17日に首都キャンベラでアルバニージー豪首相と会談し、その後、鉱業が盛んな西オーストラリア州に向かう。パースでは、中国企業とつながりのある重要な鉱業プロジェクトを視察する予定。
豪州で22年5月に中道左派の労働党政権が誕生して以来、豪中関係は急速に改善している。しかし、中国に対抗する米国主導のインド太平洋安全保障体制で重要性を増す豪州の役割や豪中軍のニアミス、豪主要産業への中国投資などを巡り両国間の緊張はなお続いている。
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原題:China’s Li Tours Australia as Visit’s Symbolism Masks Tensions(抜粋)
--取材協力:Paul-Alain Hunt.
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Ben Westcott