＜神戸弘陵・八鹿＞今春初先発で完封勝利を挙げた神戸弘陵・村上泰斗（撮影・河合　洋介）

　◇高校野球兵庫春季大会2回戦　神戸弘陵2―0八鹿（2024年4月20日　高砂） 　高校野球の春季大会が各地で行われ、兵庫大会では今秋ドラフト候補の神戸弘陵・村上泰斗投手（3年）が、八鹿戦で150キロを計測して14奪三振完封と快投を演じ、3回戦に進出した。 　神戸弘陵の最速152キロ右腕・村上が今春公式戦で初先発し、被安打2、14奪三振の力投で公式戦初完封を飾った。3回2死無走者で右前打を許して以降は打者22人を無安打。「70点ぐらい。ここ最近で一番よかったです」と胸を張った。 　高校から投手に本格転向したプロ注目の剛腕。ただし経験の浅さゆえに、昨秋までは突然制球を乱す悪癖が目についた。それが3与四球のみと安定。14奪三振中13個を直球で奪うなど、「要所だけで力を入れることを覚えました」と強弱をつける投球術を覚えた。 　球場にはNPB2球団が駆けつけた。手元のスピードガンで最速150キロを計測したと明かすDeNAの吉見祐治スカウトからは「直球を高低、内外角に投げ分けられていた。良くなってきている」と成長を認められた。 　自己最速の152キロは2年夏に計測した。「力を入れれば（自己最速を）超せる自信はある。まずは公式戦で勝てる投球がしたいです」。急成長する器の大きさに加え、実績でも評価を得る春にする。（河合　洋介） 　◇村上　泰斗（むらかみ・たいと）2007年（平19）2月20日生まれ、兵庫県猪名川町出身の17歳。小1から白金メッツで野球を始めて投手と捕手。神戸弘陵では2年秋から背番号1。1メートル80、76キロ。右投げ右打ち。